スペインBershkaがバンガロール初出店――Mall of Asiaが欧州・若者ブランドの集積地に

スペインのアパレル大手Inditex傘下で若者向けブランドのBershkaが、バンガロールのPhoenix Mall of Asiaにインド初の店舗を開業した。665.18平方メートルの旗艦店で、最新のリテールコンセプトとロイヤルティプログラム「Bershka Mmbrs」を投入。同モールには欧州系・若者向けの海外ブランドが相次いで集まり、バンガロールの新たなファッション集積地になりつつある。

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Bershkaのバンガロール初出店

Bershkaの新店舗は、Phoenix Mall of Asiaのアッパーグラウンドフロアに665.18平方メートルの売り場を構える。ブランド最新のリテールコンセプトを採用し、天井をあえて露出させたオープンシーリングのデザインと、直感的に回遊できるレイアウトを特徴とする。15.40メートルのテクスチャー外装が、ブランドのコンテンポラリーな世界観を打ち出す。

取り扱いは、音楽やSNSのトレンドに敏感な層を狙う「Bershka Women and Men」に加え、10〜12歳向けの「BSK Teen」ラインまでフルにそろえる。デジタルカルチャーやバイラルトレンドの影響を受けたデザインで、若年層・ティーン層の取り込みを狙う。物理店舗とあわせてEC(Bershka.com)も稼働し、配送料は290ルピー、2,990ルピー超の注文や店舗受け取りは無料とする。

Inditexのインド戦略とMmbrs

Bershkaを擁するInditexは、Zara、Pull&Bear、Massimo Dutti、Stradivarius、Oysho、Zara Homeなどを含め、インドで26店舗を展開している。今回のBershka投入は、既存のZara中心の布陣に若者向けの価格帯と世界観を加える動きだ。同時に導入したロイヤルティプログラム「Bershka Mmbrs」は、通常購入で2%、アプリ経由の初回注文で4%のキャッシュバックを提供し、誕生日特典や新作への先行アクセスなどの会員特典を組み合わせる。

物理店舗・EC・会員プログラムを一体で立ち上げる手法は、オンラインとオフラインを横断する若年層の購買行動を前提にしたものだ。店頭で世界観を体験させつつ、ECと会員特典で継続購入を囲い込む設計になっている。

店舗・プログラムの概要

項目内容
ブランドBershka(Inditex傘下)
立地バンガロール・Phoenix Mall of Asia(アッパーグラウンドフロア)
売り場面積665.18平方メートル
取り扱いWomen/Men/BSK Teen(10〜12歳)
EC配送料290ルピー(約510円・2,990ルピー超は無料)
ロイヤルティMmbrs:通常2%/アプリ初回4%キャッシュバック

※円換算は1ルピー=約1.76円で計算(2026年6月時点の目安)。

Mall of Asiaが集積地に

Phoenix Mall of Asiaは、海外ブランドの旗艦店・初出店が相次ぐモールとして存在感を増している。ストリート系ラグジュアリーのOff-Whiteがインド初上陸でモールを「丸ごとジャック」する演出を行ったほか、H&MグループのCOSも同モールに2号店を準備中とされる。Bershkaの初出店は、こうした欧州・若者向けブランドの集積に新たな一手を加えるものだ。

こうした流れはOff-WhiteのMall of Asiaモール丸ごとジャックCOSのバンガロール2号店準備の動きと重なり、バンガロールが南インドのファッション発信地として急速に厚みを増していることを示している。

日本企業への示唆

インド進出を検討する日本のマーケティング担当者にとって、Bershkaのケースは「店舗・EC・会員を一体で立ち上げる」手法の参考になる。若年層は店頭とオンラインを行き来して買うため、物理店舗だけ、ECだけという片肺の展開では取りこぼしが大きい。出店初日からロイヤルティプログラムを走らせ、継続購入の動線を引く設計が効く。

立地選びの観点も重要だ。海外ブランドが集積するモールに出店することで、来店客の重なりを取り込み、モール全体の集客力に乗れる。日本ブランドが単独で無名のまま出店するより、ブランド集積が進むモールに相乗りする方が、初期の認知獲得で有利になりやすい。

業界への波及

欧州・若者向けブランドの集積は、バンガロールの消費者の選択肢を一気に広げ、ファストファッションの競争を激化させる。Inditexが価格帯の異なる複数ブランドを同一市場に投入することで、Zara一強だった布陣がより細かくセグメント化されていく。日本ブランドにとっては、どの価格帯・どの客層を狙うかの輪郭がより問われる局面だ。

海外ブランドの初上陸が続く流れは2026年のインド初上陸ブランドの動向にも表れており、集積モールを舞台にしたブランド間の体験競争が、インド都市部のリテールの主戦場になりつつある。

まとめ

Bershkaのバンガロール初出店は、Inditexが若者向けの価格帯と世界観をインドに加える動きであり、Phoenix Mall of Asiaを欧州・若者向けブランドの集積地として一段と際立たせた。店舗・EC・会員プログラムを一体で立ち上げる手法と、集積モールへの相乗り戦略は、インド進出を狙う日本企業にとって実践的なヒントになる。

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参考

この記事を書いた人

大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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