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インドニュース2026.09.26

UbalanceがThe Forest Withinへ、10億ルピー狙う

本記事は2026年9月25日時点で確認できたインド現地の公的資料・報道をもとに作成しています。制度・価格・各社の方針は変更される場合があります。実際の事業判断にあたっては、所管省庁・現地の専門家など一次情報源で最新の内容をご確認ください。

インドの液状アーユルヴェーダ系健康商品ブランド「Ubalance Naturals」が、新しいブランドアイデンティティ「The Forest Within」を打ち出した。2026年9月21日にindiaretailing.comが報じたもので、パッケージ、デジタル、SNS、EC、小売の各接点に2026年9月から順次適用していく。同時に示したのが、FY30に売上100クロー・ルピー(10億ルピー)、2028年までに顧客10万世帯という二つの目標だ。報道が挙げる商品9、SKU18という小さな品揃えで桁を上げにいく設計を、価格と販路から追ってみる。

「The Forest Within」は何を変える発表だったのか

2026年9月から接点ごとに切り替えていく

報道の中身は短い。同社は、健康を個別の機能ではなく互いにつながった身体システムの結果として捉える立場を取っており、新しいアイデンティティはその立場を視覚に落としたものだと説明している。狙いはプレミアム・ウェルネス領域での位置づけを強め、一貫した見え方をつくることだという。記事はindiaretailing.com編集部署名の短報だ。

変わるのはブランドの名前で、運営法人の商号ではない

原文の見出しは「Ubalance Naturals rebrands as ‘The Forest Within’」だが、本文は「新しいブランドアイデンティティ」と書き、記事は最後まで会社を「Ubalance Naturals」と呼び続け、共同創業者2人の肩書きも「Co-founder, Ubalance Naturals」のままだ。運営法人は公式サイト表示のとおりノイダのUbalance Lifestyle Pvt. Ltd.(CIN: U15490UP2020PTC131472)で、動くのはブランドの名乗りであって登記上の商号ではない。確認時点で公式サイトの表記は従来のままだった。

9商品18SKU、公式サイトで数え直すと容量区分は17だった

8品を250mlと500mlの2段、1品だけ50ml

報道は「9商品18SKU」としている。ところが同社の商品一覧を数えると、掲載は9品目、容量区分は250mlが8、500mlが8、50mlが1で合計17になる。Black Thunder Active+など8品が250ml/500mlの2容量、塗布用のOrtho Care Oilだけが50mlだ。原文にSKUの数え方の定義はなく、18と17の差の出どころはこの記事だけでは詰められない。引用するなら報道の「18」と自分で数えた「17」の両方を持っておく。

500mlのml単価は250mlとほぼ同じに置いてある

以下は公式サイトのMRP(税込の小売表示価格)で、2026年9月25日に確認した値だ。

商品名 250ml MRP 500ml MRP
Black Thunder Active+ 1,799ルピー 3,299ルピー
Liver Care Advance 1,099ルピー 2,199ルピー
7 Chakras 1,099ルピー 2,199ルピー
Diabetes Care 999ルピー 1,899ルピー
他4品(Ashwagandha ほか) 799ルピー 1,499ルピー
Ortho Care Oil(50ml・499ルピー) ― ―

500mlのMRPは250mlの約1.83〜2.00倍にとどまり、ml単価では250mlと変わらないか、安い場合でも8%ほどだ。容量違いを値引きの梯子として使っていない。棚に並ぶ顔の数だけ倍に増やしつつ、1mlあたりの単価は守る置き方になる。

10億ルピーは目標値で、達成済みの数字ではない

FY30は2030年3月期を指す

100クロー・ルピーは「FY30に到達したい売上」であって現在の売上ではない。インドの会計年度は4月から翌年3月なので、FY30は通常2029年4月〜2030年3月期を指す。1クロー=1,000万ルピーなので100クロー=10億ルピー、2026年9月25日時点のレート(1ルピー=1.6561円)で約16.6億円。報道に現在の売上高は書かれておらず、目標と実績の倍率は計算できない。倍率を作れば、まだ起きていない成長を起きたことのように見せてしまう。

10万世帯の目標と突き合わせると1世帯あたり年1万ルピー

手がかりは、共同創業者Gurmeet Kaur氏が語った「2028年までにリーチを10万世帯へ広げる」というもう一つの目標だ。ただし顧客数は2028年、売上はFY30で年度が違い、そのまま割り算はできない。それを承知で筆者が試算(発表値ではない)すると、10億ルピー÷10万世帯=1世帯あたり年1万ルピー、約1万6,600円になる。250mlのサイト販売価格は719〜1,619ルピーなので、年1万ルピーは6〜14本にあたる。いまの9品のまま桁を上げるなら、1世帯が年に何度も買い直す状態が前提になる。

項目 公表された内容
新ブランド名 The Forest Within(従来はUbalance Naturals)
運営法人 Ubalance Lifestyle Pvt. Ltd.(ノイダ)
適用範囲 パッケージ/デジタル/SNS/EC/小売
開始時期 2026年9月から
売上目標 FY30に100クロー(10億)ルピー
顧客目標 2028年までに10万世帯

9商品の製造は別法人が担い、販路は5つに分かれる

製造はジャイプルのAMV Botanicsが請けている

公式サイトの表示では、「Manufactured For and Marketed by」がノイダのUbalance Lifestyle Pvt. Ltd.、「Manufactured by」がラジャスタン州ジャイプルのAMV Botanics Pvt. Ltd.、製造免許番号は585AYUだ。企画・販売と製造が別法人に分かれている形だ。表示に並ぶのはCIN・GSTと「Mfg. Lic. no.(製造免許番号)」で、食品事業者の登録番号は載っていない。輸入を検討するなら、現地の免許区分をそのまま日本に当てはめず、食品か医薬品かの扱いを先に確認したい。

総合ECと医薬・ヘルスケア系ECの両方に置いている

サイトのフッターに並ぶ販売先は、Amazon、Flipkart、ONDC(インド政府主導のオープンEC網)、Herbkart、TATA 1mgの5つ。総合ECと医薬・ヘルスケア系ECの両方に置き、ONDCで小口の事業者ともつながる。9品しかない商品を性格の違う売り場に同時に置く組み方は、D2C一本足から店頭併売へ広げた皮膚科医発ブランドSKINQが取った順序と方向が似ている。

日本の食品・健康食品メーカーが持ち帰れる3点

品数を増やす前に、容量と購入頻度を決める

売上を伸ばす相談が、そのまま品目を増やす相談に変わることは多い。この設計は逆で、9品に対して250mlと500mlの2段を置き、大容量に強い割引を付けずにml単価を守る。増えるのは棚の顔の数と1回あたりの購入額で、原料や処方の管理コストはほとんど増えない。日本で小ロットから立ち上げる場合も、味を増やす前に月何回買う商品かと容量を先に決めたい。

「自然派」の言い方は、そのまま日本には持ち込めない

同社は自社サイトで、野生採取した植物原料を使い、化学物質を使わず、カフェインと砂糖を含まないと説明している。これらは同社自身の説明であり、本稿は成分や効き目の当否には立ち入らない。注意したいのは表現のほうだ。「無添加」「化学物質不使用」「副作用なし」といった言い切りは、日本では健康増進法・景品表示法・医薬品医療機器等法に照らして使えない場合がある。消費者庁の「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」は不使用表示を一律に禁止しないが、加工食品の容器包装について、単なる「無添加」、「化学」など基準にない用語との併用、安全性と結び付けた表示を、誤認のおそれが高い例に挙げている。

名前を替えるとき、何を残すかを先に決める

ブランドの名乗りを替える動きはインドで続いている。高級牛乳ブランドが象徴を牛からシラサギへ替えつつfarm-to-homeの核は残した例や、ソーダブランドが「友情」の軸と看板俳優を残し、缶とトーンを入れ替えた例と並べると、共通するのは全部を入れ替えていないことだ。今回も共同創業者のDevendra Kumar Oberoi氏が「アイデンティティは進化したが、目的は変わっていない」と述べている。残す核を先に決めてから見せ方に手を付けたい。

日本から一次情報を確かめる窓口

確認したいこと 確認先
商品構成・容量・MRP 公式サイトの商品一覧
受託製造元と免許 ラベル表示(AMV Botanics、585AYU)
実売価格と販路 Amazon.in、Flipkart、TATA 1mg
問い合わせ care@ubalancenaturals.com/+91 70711 71711

次の一手は、商談の前に250mlと500mlの実売価格を複数の販路で1週間追うことだ。MRPと実売の差がどこで大きいかを並べるだけで、10万世帯の目標が新規獲得寄りかリピート寄りかの見当がつく。

参照元

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