南アフリカ発のペリペリチキンチェーン「Nando’s」が2026年9月、プネのKoregaon ParkにあるKopa Mallに市内2店目を開いた。1号店はPhoenix Marketcity。CEOのSameer Bhasin氏は「プネは我々にとって強く、刺激的な市場になった」と述べる。1都市に複数店を置いて深く掘るモール立地の踏み込み方は、インドで外食の都市浸透を狙う日本企業が、出店順とモール選びを考える手本になる。
報道によると、Nando’sはプネのKoregaon Park地区・Kopa Mallに新店を開き、これがプネ市内2店目となる。1号店はPhoenix Marketcityで、いずれもモール立地だ。看板は炭火で焼くペリペリチキンで、アフリカン・バーズアイ・チリにレモンやガーリック、スパイスを合わせて24時間漬け込み、注文ごとに焼き上げる。辛さはマイルドからエクストラホットまで選べる。
外資の外食チェーンがインドで面を作るとき、多くの都市に1店ずつ薄く広げるより、成長市場と見た都市に複数店を重ねて密度を上げる打ち方が増えている。プネはIT・製造・大学が集まり、外食の裾野が厚い。同じ都市でモールを替えて2店目を置けば、ブランド認知を都市内で確実に固めつつ、供給網や人材を共有して運営コストを抑えられる。
Nando’sの設計は、24時間漬け込んだ鶏を注文ごとに炭火で焼くという調理の核を、モールという集客装置に載せる点にある。マリネやバスティング、ソースは人工香料・着色料を使わない生の素材でつくると打ち出し、味の一貫性で単価を保つ。同社は1987年に南アのヨハネスブルグで創業し、報道では23カ国に1,250店超を展開するとされる。この規模で磨いた標準化を、インドの都市内複数店に持ち込んでいる。
報道の範囲では、CEOのSameer Bhasin氏が「プネは強く刺激的な市場」と述べ、都市内の店舗網を厚くする意図を示している。フランチャイズ運営者の詳細や、今後の具体的な出店計画・投資額は明らかにされていない。ここでは「プネ2店目」「1号店はPhoenix Marketcity」「創業1987年・23カ国1,250店超」という報じられた事実に絞る。
日本の外食・食品ブランドがインドに入るとき、1号店の成否だけで都市を判断すると、認知が育つ前に撤退しがちだ。Nando’sのように最初から同一都市の2店目を計画に織り込めば、1号店の学びを近隣店で回収できる。郊外モール出店の読み方は鉄板業態を武器にしたファウンテン・シズラーズが示し、外来食を現地の舌に寄せる翻訳はプネで50年続くChinese Roomが実践している。日本側は出店計画の初期段階で「どの都市に2店置くか」をモール単位で描いておきたい。
外資チェーンがインドで規模を作る手段として、フランチャイズ契約で一気に店数を積む型も定着している。ケバブ業態で長期のFC契約を結んで参入したGerman Doner Kebabのように、運営を現地パートナーに委ねて速度を稼ぐ設計が広がれば、原料や設備を売り込む日本側の窓口も、直営本社だけでなくFC運営者へと広がっていく。
Nando’sのプネ2店目は、1都市を深く掘って認知を固める外食チェーンの型の一例だ。インドで外食を狙う日本ブランドがいますぐ取れる一手は、1号店の計画と同時に「同じ都市のどのモールに2店目を置くか」を仮でも決めておくこと。都市内2店目を前提にすれば、1号店の学びを無駄なく次に回せる。