都市型カフェバー「SOCIAL」が2026年9月、パンジャブ州モハリのHLP Gallerriaに新店を開き、全国で60店に到達した。モハリは同市で初の出店で、パンジャブでは既存のチャンディーガル2店に続く通算3店目にあたる。運営はImpresario Entertainment & Hospitality。昼のコーヒーから食事、仕事帰りの一杯、深夜まで、一つの店を時間帯で使い分けさせる設計は、インドで飲食の器を作る日本企業が「1店でどこまで稼ぐか」を考える材料になる。
報道によると、SOCIALはモハリのHLP Gallerriaに出店し、これが全国60店目にあたる。モハリは同市で初、パンジャブではチャンディーガルの既存2店に続く通算3店目で、チャンディーガル・モハリ・パンチクラからなる「トライシティ」の面を厚くする動きだ。店舗設計はムンバイのFK’D Workshopが手がけ、円形劇場を思わせる多層構造に、島型のバーカウンター、個室、木デッキの屋外バルコニーを組み込んでいる。
インドの都市部では、コーヒーだけ、酒だけ、と用途を分けた店より、朝から深夜まで一つの居場所として使える業態に客が集まる。SOCIALはその代表格で、昼はカフェ・仕事場、夕方以降はバー・交流の場として、同じ床面積を時間帯ごとに違う稼ぎに変える。チャンディーガル周辺のように学生と若手社会人が多い都市圏では、この昼夜通しの設計が回転と客単価の両方を押し上げる。
SOCIALの肝は、一つの店を時間帯ごとに違う顔で回すことにある。メニューはチャイナボックスやバターチキンビリヤニ、大盛りナチョスといった食事から、看板のカクテルとコーヒーまで幅広く、パンジャブにちなんだ「バナラシ・パティアラ」のような地域色のある一杯も置く。音楽や文化イベント、地元の才能を紹介する企画を重ね、来店の理由を食事以外にも増やしている。
報道の範囲では、SOCIALはこの店を「コーヒーの立ち寄り、食事、仕事帰りの集まり、深夜の食事」まで想定して設計したとされる。具体的な投資額や客単価は明らかにされていない。ここでは「全国60店」「モハリが州内初、トライシティ3店目」という報じられた事実に絞り、来客数などの推測は加えない。
日本の飲食・食品ブランドがインドで直営店を持つとき、昼と夜で別の店のように使わせる設計は、限られた床面積から稼ぎを最大化する手になる。夜の体験市場の空白を突く動きはムンバイの音×食バーHigh Noteが示し、昼のカフェを夜バーに切り替える転用はコラバのConçuが実践している。日本側はメニューを昼・夕・夜の3枠に割り付け、どの時間帯に日本らしい一品を差し込むかを先に決めると、現地オペレーションが整理しやすい。
トライシティのような都市圏を面で押さえる動きは、単なる店舗増ではなく、地域の需要を読むための拠点網づくりでもある。地方都市を出店データの網に変える発想はパンジャブ・ルディアナに出たSnitchの広げ方にも通じ、都市圏単位で密度を上げる設計は、日本ブランドが「どの都市から面で取るか」を考える下敷きになる。
SOCIALのモハリ出店は、一つの店を時間帯で割って全国60店まで積み上げる型の一例だ。インドで直営店を検討する日本ブランドがいますぐ取れる一手は、メニューを昼・夕・夜の3枠に分け、それぞれの主力と、日本らしさを差し込む枠を1つずつ決めておくこと。時間帯設計を先に固めれば、床面積あたりの稼ぎが読みやすくなる。