家具・家電をサブスクで貸し出すインドのRentoMojoが、2026年9月17日に株式市場へ上場した。公開価格₹404に対しNSEでは₹482.45(19.42%高)で初値がつき、終値は₹534.25と初日で約32%上昇した。誰が・いつ・何を—2014年設立のRentoMojoが、レンタル×サブスクという業態のまま新規上場(IPO)を果たした。なぜ読むべきか—所有せず借りて使う消費が定着したインドで、D2C型のレンタル事業が資本市場の出口に到達した事例だからだ。以下の金額は2026年9月時点、₹1≈¥1.66換算を併記する。
初値はNSEで₹482.45(公開価格比19.42%高)、BSEで₹480(同18.81%高)。終値はNSEで₹534.25、BSEで₹532.95まで伸び、初日でおよそ32%の上昇となった。上場時の時価総額は₹5,548.8 crore(554.88億ルピー、約921億円)。IPOの規模は総額₹1,256 crore(125.6億ルピー、約209億円)で、うち新株発行は₹150 crore(15億ルピー、約24.9億円)、既存株主による売り出し(OFS)が₹1,105.6 crore(110.56億ルピー、約183.5億円、2.74 crore株=2,740万株)だった。公募は72.88倍の申し込みを集めた。
RentoMojoは2014年にGeetansh Bamania氏とAjay Nain氏が創業し、家具・家電・その他の家財をサブスクで貸し出すプラットフォームを運営してきた。転勤や単身赴任が多く、初期費用を抑えたい都市の若年層に、所有ではなく月額で使う選択肢を提供してきた事業だ。2026年3月時点で稼働中のサブスク契約は2.5 lakh(25万件)。所有を前提としない耐久消費財の使い方が、上場企業を生むだけの厚みを持つに至った。
初期からの出資者Accel Indiaは、₹317 crore(31.7億ルピー、約52.6億円)分の株式売却でグロス8.6倍のリターンを得た。共同創業者のBamania氏は8.49 lakh株(84.9万株)を売り、₹34.31 crore(3.431億ルピー、約5.7億円)を手にした。売り出し中心のIPOで既存株主が持ち分を現金化した構図で、レンタル×サブスクという長期育成型の事業でも、上場を通じた出口が成立することを示している。
Inc42は初日の値動きを、公開価格を約19%上回る初値と、終値での約32%上昇という強い船出として報じた。72.88倍という公募の応募倍率、Accelの8.6倍リターン、創業者の売却額まで具体的な数字とともに取り上げられている。話題性ではなく、稼働契約数と投資家リターンという実数で評価されているのが特徴だ。
インドの新規上場は、ZeptoのSEBIからのIPO承認取得や、BlueStoneが示した高単価×テックのD2C黒字化のように、D2C発の企業が続々と資本市場へ向かっている。上場後のロックアップ解除で機関投資家が動く場面はLenskartのロックアップ解除即日売却でも見えており、出口の局面まで含めてインドのD2Cは投資対象として成熟しつつある。家具・家電を扱う日本のメーカーやレンタル事業者は、所有しない消費が上場企業を生む市場としてインドを捉え直す余地がある。
フィンテックでも上場準備が進んでおり、その動きはMoneyviewのIPO申請で追った。RentoMojoの上場も、消費者向けのD2C・フィンテックが相次いで公開市場に向かう同じ流れの中にある。
所有しない消費でインドに参入・協業を検討する日本企業は、RentoMojoの稼働契約25万件や売り出し中心のIPO構造から、レンタル事業がどの規模で上場に届くかの目安を得られる。次の一手として、自社の家具・家電を月額サブスクで貸した場合の1契約あたりの回収と原価を、RentoMojoの契約規模と突き合わせて一度試算してみることを勧めたい。