タタ傘下ティタンの宝飾ブランドTanishqが、チャッティスガル州の小都市ラジナンドガオンに新店を開いた。金・ダイヤ・婚礼・日常使いの宝飾を揃え、地方小都市の需要を店舗網で押さえにいく。ブランドへの信頼が購入の決め手になる宝飾で、Tanishqがどの規模の都市まで直営店を広げるかは、インドでブランド信認が効く商材を扱う日本企業の出店判断に響く。
Tanishqはチャッティスガル州の都市ラジナンドガオンに新店を開き、インドの店舗網を地方小都市へ広げた。会社側の説明では、この新店はラジナンドガオンと周辺地域の顧客がTanishqの宝飾コレクションに触れやすくすることを狙う。金・ダイヤモンド・婚礼・日常使いの各コレクションを扱う。
Tanishqはティタンの宝飾ブランドで、確立市場と新興市場の双方で新規出店を続けてきた。金の純度・鑑定への信頼が購入の決め手になるインドの宝飾では、全国ブランドの店が地方に入ると「近くで信頼できる店」の選択肢が生まれる。ラジナンドガオンのような中小都市への出店は、二大都市の飽和を避けて需要の伸びる地方を取りにいく動きにあたる。
宝飾は高額かつ真贋の判断が難しいため、消費者は全国ブランドの看板と鑑定・買い替え保証に安心を求める。この信頼が効くカテゴリでは、地方小都市に無名店しかない状態こそが全国ブランドの空白になる。Tanishqが人口規模の小さい都市まで直営を下ろすのは、地元に競合する強い宝飾ブランドが少ない段階で店を置き、婚礼・祭事の需要を早期に取り込むためだ。店舗規模や州内の店舗数は今回の発表では示されていないため、確度の高い数値は追加確認が要る。
金・ダイヤ・婚礼・日常使いという四系統を一つの店に揃える点も見落とせない。用途をまたいで選べる幅を一店で用意すれば、来店客が別の機会に宝飾を買うときも同じ看板へ戻りやすい。高額で真贋の判断が難しい宝飾は、現物を手に取り鑑定を確かめられる実店舗そのものが信頼の接点になり、オンライン完結が効きにくい。Indian Retailerも、組織化された宝飾各社が小都市の需要に応えるため実店舗の形態へ投資を強めていると伝えており、Tanishqの出店はその流れの先頭に位置づけられる。
Indian Retailerは今回の出店を、宝飾各社が小都市や高成長市場の需要に応えるため実店舗への投資を強める流れの一環として報じた。Tanishq側はラジナンドガオンと周辺地域の顧客のアクセス改善を出店の狙いに挙げる。地元客の反応や初動の売上、州内の既存店舗数は今回の報道では示されていないため、断定はできない。ラジナンドガオンはチャッティスガル州の中規模都市で、二大都市に集中しがちな宝飾の販路が地方へ一歩踏み出した事例として読める。
インドでブランドへの信頼が購入を左右する商材を扱う日本企業にとって、Tanishqの下り方は示唆に富む。宝飾D2Cが高単価でも店舗と技術で伸びたBlueStoneの決算や、製造大国からブランドへ踏み出すラボダイヤMayavéの戦略と並べると、信認と店舗体験を早く地方へ運ぶ組み方が読める。無名で価格勝負に入るより、信頼を看板にして中小都市を先に取る順序が効く。
Tanishqの小都市出店は、インドの小売各社がTier2・Tier3都市へ店を増やす流れの一部に位置する。大手小売が年間2,182店を新規出店した動きと合わせて読むと、地方都市の一等地をどのブランドが先に押さえるかの競争が起きていることが見える。
Tanishqのラジナンドガオン出店は、ブランド信認が効く宝飾で全国チェーンが地方小都市を面で押さえる動きを示す。インドで信頼が購入を左右する商材を扱う日本企業は、大都市の一等地にこだわる前に、競合ブランドの手薄な中小都市で早めに旗を立てる選択肢を検討したい。まず対象州の中規模都市を数か所挙げ、既存の宝飾・耐久財ブランドの空白を調べるところから始めるとよい。