家電のバジャジ・エレクトリカルズが2026年9月17日、人気リアリティ番組『Bigg Boss Hindi Season 20』にco-powered byスポンサーとして参加すると発表した。給湯器・ミキサーグラインダー・電線という生活家電を、番組内タスクや司会者の言及を通じて露出させる。大型TV・配信IPを認知づくりに使うこの手は、インドで一気に世帯認知を取りたい日本の家電・耐久財ブランドにとって、露出の設計を考える具体例になる。
バジャジ・エレクトリカルズは、ヒンディー語版『Bigg Boss Season 20』のco-powered byスポンサー枠を取得した。番組は配信・放送プラットフォームのJioStarで展開される。露出の中身は、家の中で行われる商品連動タスク、司会者サルマン・カーンによる言及、ブランドジングルの挿入、視聴者参加型コンテスト、キッチンやバスルーム空間へのブランディングと多岐にわたる。訴求する商品は給湯器・ミキサーグラインダー・電線の三カテゴリだ。会長のシェカール・バジャジ氏、代表取締役兼CEOのサンジェイ・サチデバ氏、最高マーケティング責任者のタイニー・センガプタ氏がそれぞれコメントを出している。
インドで生活家電の認知を広げるには、多言語・多階層の世帯へ同時に届く接点が要る。長寿のリアリティ番組は、都市部と地方の双方で高い視聴を集める数少ない共通接点だ。バジャジ・エレクトリカルズは会長コメントで、同社ブランドが80年以上にわたってインドの家庭に根づいてきたと述べており、その蓄積を大型IPの露出で今日の消費者につなぎ直す狙いがうかがえる。番組内タスクに商品を組み込む手法は、単なるロゴ露出より使用文脈まで見せられる点が特徴だ。
この施策の核心は、CM枠の買い付けにとどまらず、商品を番組の中身に織り込んだ点にある。給湯器やミキサーを家の中のタスクに登場させ、司会者の口から名前を出し、ジングルで耳に残す。視聴者コンテストで参加も促す。ロゴを画面の隅に置くだけの露出と違い、商品が実際に使われる場面ごと見せることで、機能と生活シーンを同時に刷り込む。会社側は、都市部の消費者にも地方の消費者にも通じるブランドとしての位置づけを狙うと説明している。
広告専門メディアのafaqsが報じた範囲では、サチデバ氏は今回の提携を、ブランド変革を進める同社にとって節目となる取り組みと位置づけている。センガプタ氏は、バジャジの商品群が長くインドの家庭の相棒であり続けてきた点を強調している。報道は経営陣の意図を中心にまとめており、露出による販売効果を裏づける数値は示されていない。なお同枠を複数ブランドが押さえる構図で、家電以外のカテゴリからも同番組への参加が伝えられている。
日本の家電・耐久財ブランドがインドで露出を買うとき、CM枠やバナーの数量に目が向きがちだ。だが世帯認知を狙うなら、商品が実際に使われる場面ごと見せる組み込み方のほうが記憶に残る。人物やIPを認知の運び手に使う発想は、数字を値付けに転じた背番号をそのまま値付けに使った事例や、世界的IPを現地文脈で使ったグローバルIPを現地販促に結ぶ組み立てと共通する。会員体験で上位客を囲う露出後の上位客を囲う会員設計のように、露出のあとに顧客をどうつなぎ止めるかまで設計しておきたい。
家電や住設のような耐久財は、店頭で触って確かめる接点が購買を左右する。番組内で使用場面を見せる手法は、店頭で実際に触らせる小型店の動きとも方向が重なる。水回り家電を見て触れる店舗網を広げる見て触れる小型店を広げる家電の事例の試みと並べると、露出と体験の両輪で購買を後押しする流れが見えてくる。
大型IPへの出稿は、枠の大きさより、商品をどの場面で見せるかの設計で成否が分かれる。インドで世帯認知を狙う日本の家電・耐久財ブランドは、出稿を決める前に「番組や動画のどの場面で、自社商品が使われる姿を見せるか」を具体化したい。次の一手として、狙う商品一つについて、露出先の中で見せたい使用シーンを三つ書き出すことを勧める。