2026年8月、マイスールのCSIR-CFTRI(中央食品技術研究所)が、日量10〜50kgの小型の雑穀二次加工拠点を開設した。狙いは、農家や自助組織が雑穀を加工品にして売れるようにすること。乾燥野菜や粉体を小ロットで扱う日本の食品・OEM企業にとって、雑穀の付加価値加工がどんな設備で成り立つかを知る材料になる。
fnbnewsによれば、CSIR-CFTRI(マイスール)が、Milltec Machinery(ベンガルール)のCSR資金で雑穀の二次加工拠点を開設した。日量10〜50kgと、既存の500〜1,000kg規模の施設より小さく設計されている。備えるのはポッピング装置(毎時20kg)、連続式パパド製造機(毎時20kg、直径1〜6インチ調整可)、スナック向けの連続エアフライ装置、50リットルのバッチ式真空フライヤー(最大650mmHg)、パスタ押出機、油ちょう機、脱油装置など。対象は農家、農家生産者組織(FPO)、自助組織(SHG)、農村の起業家で、所長のGiridhar Parvatam博士は、この拠点が「工業品質の二次加工技術を農家や草の根の事業者の手に届ける」と述べている。
雑穀は収穫したままでは単価が上がりにくい。ポップやパパド、パスタ、スナックに加工すれば付加価値がつくが、そのための装置と技術が農村側になかった。CSIR-CFTRIは、この加工技術を実演し、実地訓練を通じて農家や草の根の事業者に渡すことを拠点の目的に据えている。
日量10〜50kgという規模は、大量生産の工場ではなく、FPOやSHG、農村起業家が自分たちで回せる大きさに合わせてある。既存の500〜1,000kg施設が想定してこなかった小ロットの担い手に、加工の入口を開く設計になる。
ポッピングとパパドは毎時20kg、真空フライヤーは50リットルのバッチ処理と、装置ごとに扱える量が決まっている。ポップ・パパド・パスタ・スナックまで、家庭でなじみのある雑穀加工品を一通り試作できる構成で、どの商品に絞るかを現場で確かめられる。
装置の組み合わせにも幅がある。スナック向けの連続エアフライ装置は熱風で仕上げるため、油で揚げきらない低油分のスナックを試せる。真空フライヤーは最大650mmHgの減圧下で揚げるので、低温でも色と風味を残しやすい。さらにパスタ押出機、油ちょう機、脱油装置が並び、揚げてから油を抜く工程まで一つの拠点で回せる。パパド製造機は直径1〜6インチで調整でき、地域で好まれる大きさに合わせられる。原料そのままでは単価の上がりにくい雑穀を、複数の加工品に振り分けて売り方を探れる設計だ。
拠点は装置を置くだけでなく、技術実演と技能育成、実地訓練を通じて加工のやり方を農家や草の根の事業者に渡すことを目的に据えている。FPOやSHG、農村起業家が現場で装置を動かしながら覚えられるため、外部の加工業者に委託せず、自分たちの手で試作から小さな量産へ進む入口になる。
fnbnewsは、Parvatam博士の「二次加工技術を農家や草の根の事業者に近づける」という発言とともに、技術実演・技能育成・実地訓練を通じて雑穀の付加価値加工を農村側に渡す狙いを報じた。
小さな単位で原料を加工品に変えるこの仕組みは、乾燥野菜や粉体を小ロットで扱う日本の食品事業に通じる。農家5万戸と組むKisaanSayの産地直送D2Cや、伝統食を軸にしたAnveshanの拡大と合わせて読むと、インドでは産地に近い側で加工価値をつける動きが厚い。日本勢は、原料調達だけでなく小ロット加工の設備や技術を持ち込む形で組める。
加工の入口が農村に開けば、FPOやSHGが自前ブランドの雑穀加工品を出しやすくなる。乳製品で売上を大きく伸ばしたDesi Farmsの動きのように、産地発のブランドが育つ土台が広がる。
CSIR-CFTRIの小型加工拠点は、雑穀の付加価値づくりを農村側に開く実例になった。インドで雑穀や乾燥食品を扱う日本企業は、大規模工場を前提にせず、小ロットで加工価値をつける設備・技術をFPOやSHGと組んで持ち込む道を、拠点の運営者への打診から始めるのが次の一手になる。