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インドニュース2026.09.18

Jockeyが150周年でインドに問う、肌着ブランドはどこまで広がれるか

本記事は2026年9月18日時点で確認できたインド現地の公的資料・報道をもとに作成しています。インドは税制・規制の改正が頻繁で、記載内容がその後変更されている場合があります。実際の事業判断にあたっては、所管省庁・現地の専門家など一次情報源で最新の内容をご確認ください。

肌着の代名詞として知られる米Jockeyが、ブランド誕生から150年を迎えた2026年9月16日、インドで周年キャンペーン「150 Years Young」を立ち上げた。掲げたコピーは「Never Stopped. Never Will.(止まらなかった、これからも止まらない)」。インドでJockeyを展開するのはライセンシーのPage Industriesで、同社は約30年にわたって現地でこのブランドを育ててきた。肌着から始まったブランドが、アスレジャーやアクティブウェア、女性・子ども・Z世代向けの製品群へと広がった歩みを、周年を軸に語り直す施策だ。成熟しつつあるインドの衣料市場でブランドの物語をどう更新するかは、日本のインナー・アパレル各社にとっても読みどころになる。

起点ニュース:Jockeyが「150 Years Young」で肌着の枠を超える

報道によれば、Jockey Indiaは2026年9月16日に周年キャンペーン「150 Years Young」を発表した。核となるメッセージは「Never Stopped. Never Will.」で、150年という節目を到達点ではなく起点として描く構成になっている。Jockey India のチーフ・マーケティング・オフィサー、Nihal Rajan氏は「150年はJockeyにとって大きな節目だが、我々にとってはまだ始まりにすぎない」と述べ、このキャンペーンが「日常着が単なる機能から、より個人的なものへと受け止められ方を変えつつある大きな流れ」を映すものだと説明した。周年広告にありがちな懐古ではなく、これからの用途拡張を前面に置いた点が特徴だ。

背景:肌着メーカーから生活着ブランドへ広げてきたPage Industries

Jockeyは米国発のインナーブランドで、インドではPage Industriesが独占ライセンシーとして製造・販売を担ってきた。報道が伝えるところでは、Jockeyのインドでの歩みは約30年に及び、その間に製品ポートフォリオは肌着の一点から、アスレジャー、アクティブウェア、そして女性・子ども・Z世代に向けた専用ラインへと広がった。周年キャンペーンが強調するのも、この「肌着から生活着へ」という拡張の軌跡そのものである。ブランドの信頼を保ちながら、着る場面を寝室から日中の外出やワークアウトへと押し広げてきた点が、今回の物語の下敷きになっている。

周年キャンペーンでJockeyは何を伝えようとしているのか

今回のメッセージ設計を分解すると、狙いは二つに整理できる。ひとつは、長寿ブランドが持つ安心感を「古さ」ではなく「継続の強さ」として語り直すこと。「150 Years Young」という言い回し自体が、老舗であることと若々しさを同時に主張する仕掛けになっている。もうひとつは、快適さの意味を「体を締めつけない機能」から「自分らしく動ける自由」へと拡張することだ。Rajan氏の言う「機能から個人的なものへ」という表現は、肌着を体裁の問題ではなく自己表現の一部として位置づける方向を示している。周年という節目を、価格や機能の訴求ではなくブランドの意味の更新に使っている点が読み取れる。

現地・業界の受け止め

今回のキャンペーンは、広告業界メディアのafaqsがブランド側の発表として報じたもので、記事の時点では外部の第三者による評価や消費者調査の結果までは示されていない。したがってここで確度をもって言えるのは、Jockey India自身がどこに軸足を置こうとしているか、という発信の内容にとどまる。CMOのコメントから読み取れるのは、周年を「達成の宣言」ではなく「用途拡張の宣言」として使う姿勢である。肌着カテゴリーで築いた信頼を、アスレジャーや日常着という競争の激しい隣接領域へ持ち出すための足場として周年を活用している、という構図だ。

日本企業への示唆:日本のインナー・アパレルは印市場に何を持ち込めるか

Jockeyの動きは、インドで肌着や日常着を扱う日本企業にとって二つの論点を示す。第一に、ブランドの信頼を隣接カテゴリーへ橋渡しする設計だ。インナーで築いた清潔感や品質の評判を、アスレジャーやスポーツ用途へどう伸ばすか。第二に、周年や節目を「懐古」ではなく「これからの用途提案」に転換する語り口である。日系ではワコールがムンバイ最高立地に直営旗艦を構え、接客を軸にインドの店舗網を束ねる動きを進めており、店頭体験でブランドを伝える手法は各社の判断材料になる(ワコールがムンバイ最高立地に直営旗艦、接客で束ねるインド18店網)。ユニクロもインド事業を大きく伸ばす目標を掲げており、日常着で層を広げる戦い方は、日系ブランドが自社の売り場を組み立て直すときの下敷きになる(ユニクロがインドで「10倍成長」宣言)。

市場への波及:アスレジャー拡大でアパレルの売り場はどう動くか

肌着ブランドがアスレジャーへ染み出す流れは、Jockey1社の話にとどまらない。健康志向やジム通いの広がりを背景に、機能素材の日常着という領域には外資も相次いで参入している。ルルレモンがインドへの上陸を進めるように、体を動かす層に向けた高機能ウェアの棚は今後も広がる見込みだ(Lululemon、Tata CLiQ提携で2026年下半期にインド初上陸)。肌着・スポーツ・日常着の境界が薄れるほど、ブランドは「どの場面のための服か」を明確に語る必要が増す。

実用情報・関連リンク

まとめ:周年を用途拡張の起点に変える

Jockeyの「150 Years Young」は、老舗ブランドが節目をどう使うかの一例を示している。過去の実績を並べるのではなく、肌着から生活着への広がりという現在進行形の物語を語り、これからの用途を提案する構成だ。インドで衣料ブランドを展開する、あるいはこれから検討する日本企業がまず取り組めるのは、自社が現地で築いた評判を棚卸しし、それを隣接するどのカテゴリーへ橋渡しできるかを一枚の設計図に落とすことである。周年や記念のタイミングは、その橋渡しを消費者に伝える好機になる。

参照元

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