Bisleriは、インドで「ボトル入りの水」を指す普通名詞のように使われるブランドである。もとはイタリア資本のブランドで、1969年にChauhan家が買収して現在の事業に育てた。いまも同族で経営している。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | Bisleri International Private Limited |
| 創業 | 1969年 |
| 本社 | ムンバイ(マハラシュトラ州) |
| 経営 | Ramesh Chauhan(会長)、Jayanti Chauhan(副会長)、Angelo George(CEO) |
| 売上高 | ₹2,689.69 crore(FY2024=2024年3月期/前年比14.8%増)、純利益₹316.95 crore。非上場のためこれが公表されている直近の通期 |
| 市場での位置 | 組織化された包装飲料水で約3割とされる |
| 上場 | 非上場 |
包装飲料水は、原水の水質が地域ごとに違う。硬度も、含まれるミネラルも、汚染の種類も土地によって変わるため、工場ごとに処理の条件を変える必要がある。全国で同じ味にするには、処理後の水質を揃える工程が要る。
この性質から、飲料水は近くで作って近くで売る商売になる。Bisleriは全国に工場と委託先を持ち、それぞれの原水に合わせた処理をしたうえで同じブランドで出している。
主力は包装飲料水だが、炭酸飲料やプレミアム水にも広げている。
水も清涼飲料も、冷えていなければ売れない。インドの小売店は自前で冷蔵ケースを買えない店が多く、飲料メーカーが無償で貸し出すのが慣行になっている。誰のケースが置かれているかで、その店に並ぶ商品が決まる。
Bisleriは水でこの足場を築いた。1本あたりの利幅は小さいが、店に置かれる数が多い。ケースを置いた店には、同社の炭酸飲料も並べやすくなる。
非上場のため、公表されている直近の通期はFY2024(2024年3月期)で、売上は前年比14.8%増の₹2,689.69 crore、純利益は₹316.95 croreだった。数年前にタタ・コンシューマーへの売却が報じられたが成立せず、同族での経営が続いている。
インドで飲料を売るときは、冷蔵ケースを誰が置いているかが売り場の取りやすさに直結する。新規に入る側は、既存メーカーのケースに自社の商品を置かせてもらえないため、自前でケースを配るか、置かなくても売れる商品にするかの選択になる。この費用を事業計画に入れ忘れると、棚を取れないまま在庫だけが残る。
また、インドの包装飲料水は価格が固定的で、1リットルあたりの相場が長く動いていない。水そのもので差をつけるのは難しく、日本企業が入るならミネラル組成やパッケージで別の棚を作る発想が要る。