Tata Starbucksは、タタ・コンシューマー・プロダクツと米スターバックスが50:50で出資する合弁会社である。2012年10月の1号店から13年あまりで500店を超えたが、まだ黒字にはなっていない。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | TATA Starbucks Private Limited |
| 設立年 | 2012年 |
| 本社 | ムンバイ(マハラシュトラ州) |
| 出資 | Tata Consumer Products 50%/Starbucks Corporation 50% |
| 店舗数 | 500店超・80都市(FY2026=2026年3月期末時点) |
| FY2026の純損失 | ₹49.5 crore(前期から縮小) |
| 上場 | 非上場(親会社Tata Consumer ProductsはBSE/NSE上場) |
店舗運営と出店はタタ側が担い、ブランドと商品はスターバックス側が持つ。不動産の確保、行政手続き、人材の採用といった現地でしか動かせない部分をタタが引き受ける形である。
コーヒー豆はタタ・コンシューマー・プロダクツ(旧タタ・コーヒーの事業を統合)の農園からも調達している。原料から店頭まで身内で回せる構成は、輸入に頼る場合と比べて為替と関税の影響を受けにくい。
インドは紅茶とフィルターコーヒーの国である。街角のチャイは₹10〜20で買え、南インドの家庭ではフィルターコーヒーが日常にある。そこへ1杯₹200〜400のエスプレッソ系飲料を持ち込むのだから、客層は都市部の一部に限られる。
FY2026(2026年3月期)に店舗数が500を超え、80都市に広がった。同期の純損失は₹49.5 croreまで縮小している。赤字幅は縮んでいるが、世界的なブランドと国内最大級の財閥が組んでなお、14年目でまだ黒字化していない。
同社は出店ペースを絞りながら都市を深掘りする方針をとっている。数を追わずに1店あたりの採算を作るという判断である。
これは日系外食がインドの事業計画を引くときの、最も現実的な物差しになる。世界最強クラスのブランド力、現地最大級のパートナー、原料の内製という3つが揃っても、500店に13年かかり黒字化はまだである。これより短い期間で回収する計画を立てるなら、その根拠を説明できなければならない。
合弁の作り方も見ておける。ブランドと商品は本社、運営と出店は現地という分け方は、規制と商習慣が複雑な市場で動かしやすい。