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外食約600店のゴールデンゲートが2か所目の食品工場をフート省で稼働

2026.09.24

本記事は2026年9月24日時点で確認できたベトナム現地の公的資料・報道をもとに作成しています。ベトナムは税制・規制や行政区画の改正が頻繁で、記載内容がその後変更されている場合があります。実際の事業判断にあたっては、所管省庁・現地の専門家など一次情報源で最新の内容をご確認ください。

ベトナムの外食大手ゴールデンゲート(Golden Gate)が、フート省ティンミン村(xã Thịnh Minh)のティエンティエン工業クラスター(cụm công nghiệp)に食品工場「Golden Gate Foods Tiên Tiến」を稼働させた。第1期は敷地4ha、投資額は6,000億ドン超。自社の約600店へ食材を送るセントラルキッチン兼加工・配送拠点で、小売チャネル向けの調理済み食品も作る。第1期の設計能力は最大2,000店舗分で、肉と野菜の下処理から調理済み食品、餃子・生麺・ピザ生地までを1か所で扱う。

フート省ティンミン村の4haに6,000億ドン超、Golden Gateが2か所目の工場を動かした

The Investor(VAFIE)は2026年9月21日付で、Golden Gate Foods Tiên Tiếnが同グループ2か所目の生産拠点として「先週土曜」に稼働を始めたと書いている。同記事は月曜付なので、稼働日は9月19日にあたる。

投資額は6,000億ドン超(VietnamBiz)。The Investorは6,000億ドン・2,306万ドルと書いている。本稿の円換算は2026年9月24日のレートによるもので、6,000億ドンは約36.5億円にあたる。

ベトナム語のVietnamBiz(9月22日付)は、これを第1期(giai đoạn 1)と明記し、4haと「6,000億ドン超」は第1期の数字だと書いている。The Investorは段階に触れていないため、この4ha・6,000億ドン超が計画全体の規模なのか第1期分なのかは、2本の記事で読みが分かれる。本稿はVietnamBizの表記に従い第1期として扱う。

所在地の読み方には注意が必要だ。ティンミン村は2025年の行政再編まで旧ホアビン省ホアビン市に属していた。再編前の地図では立地を取り違える。

年3,600トンの肉と1日最大1万枚のピザ生地を同じ敷地でこなす

The Investorは工場の役割を、自社レストランチェーンに食材を供給するセントラルキッチン兼加工・配送ハブとし、あわせて調理済み食品を作って小売チャネルで流通させるとしている。VietnamBizは「流通・加工センターの複合体」と書き、一次処理から完成品までを一貫させる区画構成だと説明する。ラインごとの能力はVietnamBizにのみ載っている。

項目 内容
名称 Golden Gate Foods Tiên Tiến(第1期)
所在地 フート省ティンミン村 ティエンティエン工業クラスター
稼働 2026年9月19日(The Investorは9月21日付で「先週土曜」)
敷地 4ha(第1期)
投資額 6,000億ドン超(VietnamBiz)/6,000億ドン・2,306万ドル(The Investor)
設計能力 最大2,000店舗分に対応(VietnamBiz)
肉の一次処理 年3,600トン
野菜の一次処理 年4,320トン
ホットキッチン(調理済み・ソース類) 年4,320トン
餃子(há cảo) 1日3トン
生麺 1日2トン
ピザ生地 1日最大10,000枚(ready-to-serve)
物流 倉庫管理システム(WMS)と自動仕分けライン

ホットキッチンの出力品目は、煮物・揚げ物・焼き物・煮込みなど系列の各業態に合わせたものだとVietnamBizは書いている。下処理(sơ chế)は肉と野菜で別ラインに分かれる。

新工場で生産能力は4倍、約2,000店分になるとCEOは言う

The Investorは、新拠点によって生産能力を現状の4倍にでき、約2,000店を支えられるという趣旨を、CEOのDao The Vinh氏の発言として書いている。ただし4倍の基準は「現在の生産能力(current production capacity)」とだけあり、タックタット工場の能力なのか現在の使用量なのかは示されていない。VietnamBiz側は2,000店舗分を工場の設計能力として記述している。

事業の広がりも、決まっていることと検討段階が混ざる。小売チャネル向けの調理済み食品の生産・流通はThe Investorが予定として明記している。一方、一部の消費者向け食品の輸出は「looking to export」、つまり検討段階として書かれ、決定事項ではない。Vinh氏はレストラン事業だけに集中しない領域へ動けるとも述べているが、その先の具体像は2本の記事にない。

肩書きの表記も2本で食い違い、The InvestorはVinh氏をCEO、VietnamBizは創業者兼会長(nhà sáng lập kiêm Chủ tịch)としている。VietnamBizが載せた同氏の発言はこうだ。「我々の最初の工場は、Ashima Phan Đình Phùng店の屋上に置いた小さな厨房だった。これだけ大きな工場の前に立つと、Golden Gateは長い道をこつこつ歩いてきたと感じる」

1か所目は2024年のタックタット工場、売上7.69兆ドンの本体が製造を2拠点に寄せた

2か所目という表現の裏側はVietnamBizが埋めている。Vinh氏の説明によれば、1か所目は2024年開業のタックタット(Thạch Thất)工場で、スープの素、鍋に入れる団子類、アイスクリームに特化している。Tiên Tiếnの稼働で、R&D・一次処理・加工・生産・品質管理・輸送をタックタットとティエンティエンの2拠点に機能分担させる社内製造の体制になった。

The InvestorによればGolden Gateは2005年創業で、ベトナムでチェーン方式を早期に採った企業の一つ。35を超えるブランドと約600店(VietnamBizは「600店近く」)を運営し、ブランドにはManwah、Kichi Kichi、iSushi、Gogi House、Sumo BBQが含まれる。日本風の業態名が並ぶが、2本の原文はいずれもこれらをGolden Gateが運営するブランドとして挙げている。

財務面では、2025年の売上が約7.69兆ドン(2億9,555万ドル、約468億円)で前年比16%増。The InvestorはF&B事業が主な牽引役だとしている。純利益は倍増を超えて2,138億ドン(822万ドル、約13.0億円)に達し、2022年以降で最高。2026年は売上9.81兆ドン(約598億円)で28%増、純利益1.2兆ドン(約73.1億円)を目標に置き、達成すれば20年超で最高になるという。

2026年8月には、ベトナム国家証券委員会がGolden Gateの公開会社としての資格を取り消している。同社は事業運営・財務状況・株主の権利、顧客や取引先、従業員への約束に影響しないと説明。Vinh氏は市場環境と自社の事業戦略が整った段階でIPOを進めるとしている。

約600店分の下処理から配送までを自社の2工場に収めた

日本の食品OEM・調味料・食材メーカーの立場でこの案件から取れる事実は、約600店を持つベトナムの外食企業が、肉と野菜の下処理、ソースと調理済み食品、餃子・生麺・ピザ生地までを自社の工場で回す構えになり、R&Dから輸送までを2拠点の内側に置いたことだ。供給側として検討するなら、この工場が作る品目の外側に何が残るかを個別に確認する話になる。

規模の目安として、第1期の2,306万ドルだけで、極洋がベトナム初の海外自社工場に投じた1,265万ドルを上回る。ただし極洋の額は工場1件の総額で、こちらは第1期分なので粒度が違う。

外食チェーン側では、当サイトで2026年6月に、ベトナムのファストフードが1,022店から1,156店へ13%増える見通しで、出店の重心が2級・3級都市へ移り、店舗網の拡大とともに原料供給やOEMで入り込む余地が広がると書いた。ただしその集計で名前が挙がったのはロッテリア、KFC、ジョリビー、テキサスチキン、マクドナルドで、Golden Gateのブランドは入っていない。Golden Gateは、供給を社内に寄せた今回の事実を起点に見るほうが正確だ。

参照元

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