ベトナムのファストフードが1,156店へ13%増――KFCが40%増で最速拡大、地方都市シフトが鮮明に

ベトナムのファストフード市場が3年連続で拡大し、2026年の店舗数は前年の1,022店から1,156店へと13%増える見通しとなった。調査会社Q&Me(2026年5月24日付)によると、最も伸びるのはKFCで、172店から240店へと約40%増。出店の主戦場はハノイ・ホーチミンから地方の2級・3級都市へと移っており、賃料高騰と大都市の飽和が業界全体の動きを地方へ押し出している。

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KFCが40%増で最速、地方店舗は74→196店に急伸

成長を牽引するのはKFCだ。総店舗数は172店から240店へと約40%増える見込みで、特に地方店舗は1年で74店から196店へと2.6倍に膨らむ。ハノイ・ホーチミン以外の2級・3級都市を狙う戦略が明確で、人口あたりの店舗が薄い地域を先取りする動きが鮮明になっている。

首位Lotteria、減速するJollibee――競合の明暗

店舗数で首位を保つのは韓国系のLotteriaで262店。バランスの取れた拡大を続ける。一方、急成長期を経たJollibeeは213店から220店へと伸びが鈍化した。McDonald’sは37店から47店へと27%増、Texas Chickenは42店から50店へと堅実に増やす。チェーンごとに加速と減速がはっきり分かれ、出店余地の見極めが勝負を分けている。

主要チェーンの店舗数(2025→2026予測)

チェーン2025年2026年予測増減率
Lotteria262店首位を維持
KFC172店240店約+40%
Jollibee213店220店減速
Texas Chicken42店50店堅調
McDonald’s37店47店約+27%
市場全体1,022店1,156店+13%
出典: Q&Me(2026年5月24日付)

地方が成長を牽引――2級・3級都市で160店増

地理的なシフトは数字に表れている。2級・3級都市など地方では新たに約160店が加わり、地方の店舗数は469店から629店へと跳ね上がった。背景にあるのは大都市の高い賃料と市場の飽和だ。出店コストを抑えつつ未開拓の需要を取り込むため、各チェーンが地方へ軸足を移している。

業界の反応

第一に、賃料負担の重さが大都市出店のブレーキになっている。一等地の空室化はハノイ繁華街から店舗が消える構造転換とも通底し、外食もEC同様に「立地の常識」が揺らいでいる。

第二に、地方の所得向上と若年人口が新たな需要を生んでいる。ファストフードは可処分所得の上昇に敏感で、2級・3級都市の中間層拡大が出店を後押しする。

第三に、小売各社の地方攻めとも歩調が合う。Central Retailがタイグエン省に46番目のGO!モールを着工するなど、商業施設の地方展開が外食の出店受け皿になっている。

日本の外食・食品企業への影響

ベトナムで飲食ブランドや食品供給を狙う日本企業にとって、地方都市は「次の出店余地」として現実味を帯びてきた。大都市に比べ賃料が低く競合も薄い一方、物流・人材・サプライチェーンの整備が課題になる。フランチャイズ展開を前提に、イオンモールの地方4施設一斉推進のような商業施設の動きと連動して立地を選ぶ視点が有効だ。原材料供給やOEMで外食チェーンに食い込む余地も、店舗網の地方拡大とともに広がっている。

業界への波及

外食の地方シフトは、コンビニ・ミニスーパーの拡大と同じ潮流にある。ベトナムのコンビニ・ミニスーパーが9,671店へ急増し地方が都市部を逆転したように、小売と外食の双方で「地方が主戦場」になりつつある。食品メーカーやコールドチェーン事業者にとっては、地方への配送網と現地調達の強化が次の成長の鍵となる。

まとめ

ベトナムのファストフードは1,156店へ13%増え、KFCが40%増で牽引する。出店の重心は大都市から2級・3級都市へ移り、賃料高騰と飽和がその流れを加速させている。日本の外食・食品企業にとって、地方都市は出店とサプライ両面の新たな機会であり、商業施設や物流網の整備状況を見極めた進出設計が求められる。

参考

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この記事を書いた人

大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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