ベトナムのコンビニ・ミニスーパーが9,671店舗へ急増——地方が都市部を逆転

ベトナムのコンビニエンスストアとミニスーパーの合計店舗数が2026年に9,671店舗に達する見通しだ。前年比23.9%増・1,865店舗の純増で、注目すべきは地方・二級都市の出店数が全体の50%超を占め、ホーチミン市やハノイを上回った点だ。

目次

9,671店舗の内訳——地方が過半数に

2025年時点でベトナム全土のコンビニ・ミニスーパーは7,806店舗だった。2026年には1,865店舗が純増し、合計9,671店舗へ拡大する。地方・非中核都市部だけで4,933店舗(伸び率25.1%)となり、全体の過半数に達する。都市部ではホーチミン市が3,062店舗(23.3%増)、ハノイが1,676店舗(21.3%増)と依然として成長しているが、増加率では地方が上回った。

店舗データ

エリア 2026年店舗数 前年比伸び率
地方・二級都市 4,933店 25.1%
ホーチミン市 3,062店 23.3%
ハノイ 1,676店 21.3%
全国合計 9,671店 23.9%

背景——都市部の飽和と地方の「空白地帯」

ホーチミン市とハノイでは近代的小売の普及率が急速に高まり、出店余地が縮小している。一方、地方省部では伝統的市場や個人商店が依然として主流で、コールドチェーン対応のコンビニやミニスーパーが求められていた。工業団地の拡大に伴い、工場労働者の購買力が増していることも地方出店を後押ししている。

ベトナムの小売市場は2025年にVND7兆(約420億円)を記録し、前年比9%成長した。都市部の成長鈍化を地方が補い、全体を押し上げる構造が定着しつつある。

主要チェーンの出店状況

チェーン 運営元 2026年見通し 前年比
WinCommerce Masan Group 国内最大規模
Bach Hoa Xanh Mobile World Group 2,758店(グループ全体)
GS25 GS Retail(韓国) 318店 +35%(82店純増)
FamilyMart 伊藤忠商事系 172店 +23%
7-Eleven セブン&アイ 148店 +14%

業界の反応

  • 韓国系GS25は年間82店舗の純増計画を掲げ、地方省部へのフランチャイズ展開を加速している。ベトナム全土で最も積極的な外資コンビニだ。
  • Bach Hoa Xanh(Mobile World系)は2,758店舗のミニスーパー網を武器に、生鮮食品の冷蔵配送網で差別化を図る。
  • 日系FamilyMartは172店舗とGS25・Circle Kに比べると店舗数で劣るが、弁当・おにぎり等の中食カテゴリの差別化で利益率を追求する戦略をとっている。

日本企業への示唆

FamilyMartとセブン-イレブンの店舗数はともに200店舗未満にとどまり、GS25(韓国)の318店舗に水をあけられている。日系コンビニが地方出店で巻き返すには、ベトナムの地方物流インフラへの投資が不可欠だ。

一方で、日系食品メーカーにとっては、地方コンビニ・ミニスーパーの急増がベトナム全土への販売チャネル拡大の好機となる。WinCommerceやBach Hoa Xanhの棚に並ぶことが、ホーチミン・ハノイ以外の消費者にリーチする最短ルートだ。

業界への波及——EC対リアル店舗の「地方争奪戦」

コンビニ・ミニスーパーの地方進出は、ECプラットフォームとの競合を地方で再燃させる。TikTok ShopやShopeeは農村部での売り手獲得に注力しており、オンラインとオフラインの双方が地方消費者を奪い合う構図が鮮明になっている。リアル店舗が即時消費ニーズで優位に立つか、ECが配送網の拡充で追い上げるか、2026年後半の勝敗に注目が集まる。

実用情報

項目 内容
2025年小売市場規模 VND7兆(約420億円)
前年比成長率 9%
近代的小売浸透率 都市部高/地方低(拡大余地大)
主な外資コンビニ GS25、FamilyMart、7-Eleven、Circle K、Ministop

まとめ

ベトナムのコンビニ・ミニスーパーは、都市部の飽和を超えて地方が成長の主戦場に移った。9,671店舗の半数超が地方に位置するこの構造変化は、日本の食品・小売企業にとってベトナム全土への流通網を再設計する契機だ。地方物流への投資と現地パートナーとの連携が、次のフェーズの鍵を握る。

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出典:The Investor

この記事を書いた人

大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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