韓国・ポスコ傘下のPOSCO Future M(ポスコ・フューチャーM)が、ベトナム北部タイグエン省に2.82億ドルを投じ、EV電池向けの人造黒鉛(合成黒鉛)負極材工場を建設する。ソンコンII工業団地に立地し、2026年第3四半期に着工、2028年第4四半期の商業生産を目指す。同社が人造黒鉛分野で手がける初の海外プロジェクトとなる。
年産能力は4万6,000トンで、ベトナム初の大規模な電池負極材専用工場となる。
ソンコンII工業団地に初の海外人造黒鉛拠点
タイグエン省当局は2026年4月23日、POSCO Future Mに投資登録証と企業登録を交付した。建設地はソンコンII工業団地。ポスコは2011年にこの事業へ参入して以来、人造黒鉛負極材の海外生産に踏み出すのは今回が初めてとなる。
年4.6万トン、年商1.5億ドルを見込む
稼働後の年産能力は人造黒鉛4万6,000トン。年間1.5億ドル超の売上と、年580万ドルの法人税貢献を見込む。雇用は300人超を計画し、東南アジアだけでなく世界市場へ電池材料を供給する構想だ。ベトナムにとっては初の大規模な電池負極材専用施設にあたる。
投資・稼働スケジュール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投資額 | 2.82億ドル(約437億円) |
| 建設地 | タイグエン省 ソンコンII工業団地 |
| 製品 | 人造黒鉛(合成黒鉛)負極材 |
| 証明書交付 | 2026年4月23日 |
| 着工 | 2026年第3四半期 |
| 商業生産 | 2028年第4四半期 |
| 年産能力 | 4万6,000トン |
| 想定年商/雇用 | 1.5億ドル超/300人超 |
※円換算は1ドル=約155円で概算。為替により変動する。
EVサプライチェーンのベトナム移転
負極材はリチウムイオン電池の主要部材で、これまで中国への依存度が高かった。ポスコがベトナムに人造黒鉛拠点を置くことは、EV電池サプライチェーンの一部を中国外へ分散・移転する動きと位置づけられる。ポスコのベトナム累計投資額は1991年以降で20億ドルに達し、今回はその延長線上にある。
ベトナム進出企業への影響
タイグエン省は2026年第1四半期に54億ドルの登録外資を集め、FDI誘致で全国首位に立った。電池材料・EV関連のサプライチェーンが北部に集積しつつあり、関連する部材・装置・物流の日本企業にとっては取引機会が広がる。電池産業のクラスター化が進む北部は、進出先としての優先度が上がっている。
まとめ
POSCO Future Mの2.82億ドル投資は、ベトナムに初の大規模負極材工場を生み、EV電池サプライチェーンの脱・中国依存を象徴する。2028年第4四半期の稼働に向け、北部タイグエン省の電池クラスターは一段と厚みを増す。
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