ベトナムのファストフード市場が拡大を続けるなか、出店の主戦場が大都市から地方へ移っている。市場調査会社Q&Meによれば、業界全体の店舗数は13%増(2025年1,022店→2026年見込み1,156店)。なかでもKFCは大都市以外の地方店を1年で74店から196店へ急増させ、地方分散の動きを牽引している。
ハノイ・ホーチミンの高賃料と市場飽和が、店舗の地方移動を促している。
KFC、地方で前年比約40%成長
KFCの総店舗数は2025年の172店から2026年に240店へ拡大する見込みで、成長率は前年比約40%。とりわけハノイ・ホーチミン以外の地方では、74店から196店へと1年で2倍以上に増やした。1997年にベトナムへ進出し、2020年半ばに正式なフランチャイズ登録を行ったKFCが、地方を新たな成長軸に据えた格好だ。
市場全体も地方シフト、tier2・3で160店増
業界全体でも、地方(tier-2・tier-3)の店舗数は469店から629店へと160店増える見込み。Q&Meは「大都市の高い賃料と市場飽和が、店舗の地方への大規模な移動を引き起こしている」と指摘する。一等地の出店コストが重くなるなか、各チェーンが未開拓の地方都市に活路を求めている。
主要チェーンの店舗数(2026年見込み)
| チェーン | 2026年見込み | 前年比 |
|---|---|---|
| Lotteria | 262店 | 市場首位 |
| KFC | 240店 | 約+40%(172→240) |
| Jollibee | 220店 | 213→220 |
| Texas Chicken | 50店 | 42→50 |
| McDonald’s | 47店 | +27%(37→47) |
出所:Q&Me(業界全体は2025年1,022店→2026年見込み1,156店、+13%)
なぜ地方が伸びるのか
地方シフトの背景には、所得向上による地方都市の購買力上昇と、大都市の出店余地縮小がある。コンビニ・ミニスーパーが地方で急増しているのと同じ構図で、外食もまた人口・消費の伸びる二次・三次都市へ展開を広げている。賃料負担を抑えつつ新規客を取り込める地方は、チェーン各社にとって採算の取りやすい開拓余地となっている。
ベトナム進出企業への影響
外食チェーンの地方分散は、進出を検討する日本の食品・外食・小売企業にとって示唆に富む。大都市偏重ではなく、二次・三次都市を含めた出店・流通網の設計が現実的な選択肢になりつつある。食材・包材・厨房機器などのB2B供給側にとっても、地方の店舗網拡大は新たな商機となる。
まとめ
ベトナムのファストフードは13%成長のなか、KFCの地方店2倍超に象徴される「地方分散」が鮮明だ。大都市の飽和と地方の購買力上昇という構造変化は、外食以外の業態にも波及する。進出戦略では地方都市の取り込みが鍵を握る。
関連記事
- Central Retail、タイグエン省に46番目のGO!モールを着工——410億VND投資で地方都市を攻める
- ベトナムのコンビニ・ミニスーパーが9,671店舗へ急増——地方が都市部を逆転
- イオンモール、2026年にダナン・ハロン・タインホア・バクニンの4施設を一斉推進——ベトナム拡大戦略の全容
