Sid’s Farmは、米インテルの技術者だったKishore Indukuri氏が帰国して牛20頭から始めた乳製品ブランドである。混ぜ物をしない牛乳を定期配達する形で、ハイデラバードを中心に広げてきた。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | Sid’s Farm Private Limited |
| 設立年 | 2016年 |
| 本社 | ハイデラバード(テランガーナ州) |
| 創業者 | Dr. Kishore Kumar Indukuri |
| 売上高 | ₹167.58 crore(FY2025=2025年3月期/前年の₹125.41 croreから33.6%増) |
| 取引規模 | 同社によれば約5,000戸の酪農家と契約し、5万世帯超に配達 |
| 累計調達額 | 約2,090万ドル(5ラウンド) |
| 上場 | 非上場 |
集乳した牛乳を検査してから出荷する体制を敷き、その検査結果を公開している。何をどう測り、結果がどうだったかを客に見せることで、「混ぜ物をしていない」ことを説明の中心に置いている。
インドでは牛乳への加水、脂肪分の調整、合成乳の混入が長く問題になってきた。検査を公開するという手法は、品質そのものより、疑う理由を取り除くことに向けられている。牛乳、バッファロー乳、ヨーグルト、ギーが主力である。
創業者はIITカラグプル出身で米国で学位を取り、インテルに勤めた後にインドへ戻って酪農を始めた経歴を持つ。製造業の品質管理の考え方を酪農に持ち込んだ形になる。
FY2025(2025年3月期)の売上は₹167.58 croreで前年比33.6%増。同年にはトゥムクールの製造拠点を立ち上げている。累計調達額は約2,090万ドルである。
同社によれば約5,000戸の酪農家と契約し、5万世帯超に配達している。1戸あたりの集乳量が小さいインドの酪農で、検査を全数に近い形で回すには相応の設備と人が要る。売上の伸びに対して拠点を増やす必要が出るのは、この検査の負担による。
検査結果を公開することがそのまま差別化になっている点は、日本の食品会社にとって示唆がある。日本では品質管理は当たり前のものとして語られず、表に出ない。インドでは同じことが訴求点として機能する。
日本の乳業や食品会社が持つ検査の手法や設備は、インドでは価格ではなく説明の材料として効く場面がある。技術の供与や共同事業を考えるなら、コスト削減ではなく「見せられる品質」という切り口のほうが話が通りやすい。