米フライドチキンQSRのPopeyesが2026年9月17日、チェンナイのナヴァルールに市内12店目を開いた。単なる出店ではなく、屋根の太陽光発電や大幅な節水を組み込んだ「グリーンストア」で、IGBCゴールド認証の取得を目指す設計になっている。インドでの運営はドミノ・ピザなどを手がけるJubilant FoodWorksが担う。出店を加速しながら店舗の環境性能を上げる動きは、店舗設備や原材料をインドで売り込む日本企業にとって、参入の窓口がどこにあるかを示す。
Restaurant Indiaの2026年9月17日の報道によると、Popeyesはチェンナイ・ナヴァルールに市内12店目を開業し、これを同ブランドのインド初のグリーンストアと位置づけた。店舗はIGBC(インドグリーンビルディング協議会)ゴールド認証を狙う。屋根には出力9.95kWpの太陽光パネル17枚を載せ、年間消費電力の約8.8%をまかなう。空調・ポンプ・厨房機器をつなぐエネルギー監視システムを備え、低流量の水栓器具で水使用量を40%超削減、空調やRO装置の排水は非飲用用途に再利用する。占有スペースの95%超に屋内植栽を配し、自然採光と換気を設計に織り込んでいる。
PopeyesのインドでのマスターフランチャイジーはJubilant FoodWorksで、同社はドミノ・ピザのインド運営で培った出店・供給網のノウハウを持つ。今回のグリーンストアは、店舗数を増やしながら1店あたりの環境負荷を下げるという方向を明確にしたもので、Jubilant FoodWorksのEVP兼最高事業責任者ヴィボール・グプタ氏は、インドでの展開を続けるなかで店舗の設計・運営の仕方そのものを進化させていると述べている。省エネ・節水を標準仕様に組み込む姿勢が、単発の実験ではなくブランドの設計思想として示された点が重要だ。
環境配慮型店舗の仕様は、そのまま調達すべき設備・部材のリストになる。太陽光パネルとパワコン、エネルギー監視システム、低流量水栓、排水再利用の配管、屋内植栽といった要素は、いずれも供給側にとっての受注機会だ。QSRが省エネ店舗を標準化して面展開するほど、同一仕様の設備が数十〜数百店単位で必要になり、規格化された部材を安定供給できる事業者に商機が生まれる。フライドチキンという業態は油・衣・スパイスなど原料の消費量も大きく、店舗設備だけでなく原材料の供給窓口としても読める。
Restaurant Indiaは今回の店舗を、Popeyesがインドで初めて導入した環境配慮型店舗として報じ、IGBCゴールド認証を目指す点と具体的な省エネ・節水の数値を前面に出している。報道の範囲では、店舗投資額やインド全体の総店舗数は明かされていない。ブランド側は数値目標つきの設計仕様を公開しており、環境性能を出店戦略の一部として打ち出す姿勢がうかがえる。
外資QSRのインド展開は、日本の食品・設備メーカーにとって「誰に何を売り込むか」を具体化する好機になる。フライドチキンチェーンが新商品を全国一斉に切り替える際に原料の供給窓口をどこに置くかという論点(KFC1,400店が一日で切り替える新商品、原料を売り込む窓口はここだ)は、Popeyesの面展開にもそのまま当てはまる。海外ピザチェーンがインドで再上陸し店舗網を組み直す動き(Papa John’s、ギーロースト・ピザでインド再上陸)と合わせて見ると、外資QSRの拡大局面こそ設備・原料の売り込みどころだと分かる。
QSRが省エネ・節水を標準仕様として面で広げれば、同型の設備需要が都市をまたいで積み上がる。中華QSRが50都市規模へ密度を上げる展開(中華QSR「Chinese Wok」が50都市目に到達)のように、外食チェーンの多店化は設備・部材の反復調達を生む。日本の空調・水処理・厨房機器の事業者は、単店販売ではなくチェーン標準仕様への採用を狙う設計で臨むと効率がよい。
Popeyesのグリーンストアは、太陽光17枚・年間電力の約8.8%・節水40%超という数値つきの設計仕様を公開した。この仕様書は、供給側から見れば太陽光・監視システム・節水器具・排水再利用・植栽という受注リストそのものだ。次の一手として、インド向けに設備・部材を扱う日本企業は、単店ではなくJubilant FoodWorksのようなマスターフランチャイジーのチェーン標準仕様に自社製品を組み込む提案を、出店加速の初期段階で仕掛けることをおすすめする。