この一覧では企業を扱っていますが、UPI自体は企業ではありません。運営しているのは、インド準備銀行(RBI)とインド銀行協会が2008年に設立した非営利組織「インド国立決済公社(NPCI)」です。UPIはNPCIが開発・運営するリアルタイムの即時送金・決済システムで、スマートフォンを通じて銀行口座間の即時送金を可能にし、2016年のサービス開始以来、インドのデジタル決済インフラの中核となっています。
2025年時点でUPIはインドのデジタル決済の約85%を占める。IMFは「世界最大のリアルタイム決済システム」としており、世界のデジタル決済の取引件数のおよそ半分をUPIが処理しているとされる。年間の取引は2,283億件以上、金額にして約3.5兆ドル相当にあたる。
2025年通年のUPI取引件数は約2,283億件、取引額は約300兆ルピー(約3.5兆ドル)だった。1日あたりの平均は約6億2,600万件。前年比で件数は29%増、金額は20%増である。
2025年12月には月間216.3億件と過去最高になり、取引額も約27.97兆ルピーに達した。同年5月には月間取引額が初めて25兆ルピー(約2,926億ドル)を超えている。
2025年上半期のP2M(個人から店舗)決済は約670億件で、前年同期比37%増。FY2024-25時点で約6,500万の加盟店に、約5.7億枚のQRコードが置かれている。店舗側の導入費がほぼかからないことが、この枚数につながっている。
UPIは各ユーザーに固有のVPA(Virtual Payment Address、例:username@bankname)を割り当てる。銀行口座の番号をやりとりせずに即時送金でき、24時間365日動く。個人間および小口の店舗決済では手数料がかからない。
UPIはシンガポール、UAE、フランス、スリランカ、ネパールなど複数の国でも使える。インド政府は国際標準化を進めており、インド人の海外渡航先と、インドを訪れる旅行者の双方で使える範囲を広げようとしている。
インドで消費者から代金を受け取る事業を持つなら、UPIに対応しているかどうかで取りこぼしが変わる。
UPIは企業ではなく、NPCIという非営利組織が運営する決済の仕組みである。ここを押さえておくと、インドの小売・外食・ECの各社が決済に何を使い、手数料をどこで負担しているかが読みやすくなる。この一覧の他の企業を見るときの前提にあたる。