BlinkitはEternal(旧Zomato)傘下のクイックコマースで、ダークストアの数でも取扱高でもインドの同業で先行している。食品と日用品から始め、いまは電子機器や化粧品まで扱いを広げている。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 設立年 | 2013年(旧Grofers、2021年にBlinkitへ改名) |
| 本社 | グルガオン(ハリヤナ州) |
| CEO | Albinder Singh Dhindsa(2026年2月よりEternalグループCEOを兼務) |
| 売上高 | ₹37,779 crore(FY2026=2026年3月期、営業収益) |
| 取扱高(NOV) | ₹14,386 crore(2026年1〜3月期) |
| ダークストア | 2,243拠点・150都市超(2026年3月末) |
| 上場 | Eternal Limited傘下(2022年の買収額は約5.68億ドル) |
FY2026(2026年3月期)の営業収益は₹37,779 croreと大きな数字が並ぶが、前年との比較はできない。2026年3月期の第1四半期から、出店者の商品を仲介する方式(手数料だけが売上に載る)から、在庫を自社で持って売る方式(商品代金そのものが売上に載る)へ切り替えたためである。
実態を見るなら取扱高にあたるNOV(Net Order Value)を追うのが適当で、2026年1〜3月期は₹14,386 croreだった。同四半期の調整後EBITDAは₹37 croreで、赤字を垂れ流す段階からは出ている。
この在庫を自社で持つ方式への切り替えは、取引する側にとっても意味が変わる。仲介ではなくBlinkitが買い取る形になるため、売る側は小売への卸売と同じ交渉をすることになる。
2026年3月末のダークストアは2,243拠点で、150を超える都市をカバーする。調査会社Datum Intelligenceの2025年集計では市場シェアはBlinkitが48%、Swiggy Instamartが24%、Zeptoが22%とされる。10分配達は拠点からの距離で勝負が決まるため、拠点数がそのまま注文の取りやすさになる。
扱う品目も広がっている。食品と日用品に加えて、電子機器、化粧品、玩具まで置くようになった。単価の高い商品を混ぜることで、1件あたりの配送費を吸収する狙いがある。
インドで消費財を売るなら、いまはBlinkitの棚が最も速く数量に跳ねる。ただし条件は厳しい。同社は料金表を公開していないため一次情報では確認できないが、出店支援事業者が公表している目安では、手数料はカテゴリーによって1割から2割台、これに広告費と物流費を足した実質的な負担は希望小売価格の35〜50%にのぼるとされる。Blinkitは1品目・1州あたり₹25,000の登録料も求め、これは広告枠の原資として戻る形になっている。
日本のメーカーがこれらの売り場に入る手順は、販売支援会社が公開している目安ではブランド資料の提出、取引条件の交渉、商品情報の登録、配送拠点の割り当て、2〜4週間の試験販売という順で、18〜40日かかる。求められるのはGST登録、食品ならFSSAIの許可、5〜10品目の実績、そして欠品させない供給体制である。
回転の速さが前提の売り場なので、日本の食品でも「1日に何個動くか」で判断される。単価が高く動きの遅い商品は、置かれても早い段階で外される。