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BigBasket|計画配達から10分配達への転換で損失が66%拡大

2026.03.26

この記事の要約
BigBasketは2011年ベンガルール創業のオンライン食品スーパーで、2021年にタタグループのTata Digitalが過半数を取得した。翌日配達で先行したがクイックコマースの台頭で追う側に回り、FY2026(2026年3月期)の消費者向け売上は₹8,223 crore(1 crore=1,000万ルピー)と前年比7.7%増にとどまる一方、損失は₹3,073 croreと前期の₹1,850 croreから66%拡大した。親会社タタデジタルのFY2026純損失₹4,974 croreの6割超を占める。2026年6月に共同創業者のHari Menon氏がCEOを退き、アマゾン・インド出身のAmit Nanda氏が就任した。品目数の多さから、輸入食品の入り口としては10分配達勢より現実的である。
本記事は2026年9月19日時点で確認できた各社の開示・報道をもとに作成しています。本文の金額はインドの一般的な表記に合わせ、₹1 crore=1,000万ルピーで記載し、円換算は1ルピー=1.7円台で計算した概算です。インド企業の店舗数・調達額・業績は短期間で変わるため、取引の判断にあたっては各社の公式発表など一次情報で最新の内容をご確認ください。

BigBasketは2011年設立のオンライン食品スーパーで、2021年にタタグループのTata Digitalが過半数を取得した。翌日配達で伸びた会社だが、いまは数分で届けるクイックコマースへの転換の途中にあり、その費用が収支を大きく崩している。

企業概要

項目 詳細
設立年 2011年
本社 ベンガルール(カルナータカ州)
CEO Amit Nanda(2026年6月就任。共同創業者のHari Menon氏は取締役として残留)
売上高 ₹8,223 crore(FY2026=2026年3月期、消費者向け事業/前年比7.7%増)
損失 ₹3,073 crore(FY2026/前期の₹1,850 croreから66%拡大)
従業員数 約3万人
上場 非上場(タタデジタル傘下)
主要サービス BigBasket(計画配達)、BB Now(即配)、BB Daily(定期便)

先行した会社が追う側に回った

BigBasketはインドのネットスーパーを最初に成立させた会社である。注文を受けてから翌日までに届ける形で、まとめ買いの需要を取ってきた。ところが2021年以降、10分配達を掲げるBlinkitやZeptoが伸び、消費者の期待する速度が変わった。

翌日配達は大きな倉庫から効率よく配れるが、10分配達は街中に小さな在庫拠点を多数置かなければ成立しない。BigBasketはBB Nowという即配サービスで追いかけているが、倉庫の設計も在庫の持ち方も違うため、既存の仕組みをそのまま転用できない。この作り直しに費用がかかっている。

数字に出ている転換の重さ

FY2026(2026年3月期)の消費者向け事業の売上は₹8,223 croreで前年比7.7%増にとどまった。同じ期間にBlinkitやInstamartが数割の伸びを見せていることを考えると、伸び悩みが明らかである。一方で損失は₹3,073 croreと、前期の₹1,850 croreから66%拡大した。

親会社のタタデジタルもFY2026に₹4,974 croreの純損失を計上しており、その6割超はBigBasketによるものである。2026年6月には共同創業者のHari Menon氏がCEOを退き、アマゾン・インド出身のAmit Nanda氏が後任に就いた。経営陣の入れ替えは、速度優先の設計へ切り替える意思表示と読める。

日本企業から見たポイント

BigBasketは品目数の多さを売りにしてきた経緯があり、輸入食品や単価の高い商品でも棚に載りやすい。10分配達のプラットフォームは回転の速い数百品目に絞るため、ニッチな商品は置きにくい。日本の食品を最初に試すなら、まだBigBasketのほうが入り口として現実的である。

日本のメーカーがこれらの売り場に入る手順は、販売支援会社が公開している目安ではブランド資料の提出、取引条件の交渉、商品情報の登録、配送拠点の割り当て、2〜4週間の試験販売という順で、18〜40日かかる。求められるのはGST登録、食品ならFSSAIの許可、5〜10品目の実績、そして欠品させない供給体制である。

ただし同社は転換の最中で、扱い品目の絞り込みが進む可能性がある。取引を始める前に、どのサービス(BigBasket本体かBB Nowか)の棚を指しているのかを確認しておく必要がある。

参考情報

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