インド最大級のコングロマリットITC Limitedは、タバコ事業の巨大キャッシュフローを活用し、FMCG食品事業を急拡大。Aashirvaad(小麦粉)、Sunfeast(ビスケット)、Bingo!(スナック)、YiPPee!(即席麺)など複数のブランドが、年間の消費者支出ベースで₹1,000 crore(100億ルピー/約174億円)超に達している。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 設立年 | 1910年 |
| 本社 | コルカタ(西ベンガル州) |
| 会長兼MD | Sanjiv Puri |
| 連結売上高 | ₹78,868 crore(FY2026=2026年3月期/約1.37兆円) |
| 従業員数 | 約3.6万人 |
| 上場 | BSE/NSE上場 |
| 主要ブランド | Aashirvaad、Sunfeast、Bingo!、Yippee!、Classmate、Fiama |
ITC Limitedの強みは「多角化経営」にある。タバコ、FMCG、ホテル、製紙、IT、農業の6セグメントを展開し、タバコ事業の高い利益率がFMCG食品への積極投資を支えている。タバコを除くFMCG(FMCG-Othersセグメント)の売上はFY2026で₹24,210 croreに達した。小麦粉のAashirvaadとビスケットのSunfeastが二本柱である。農業側には「e-Choupal」があるが、これは農家への情報提供と原料調達のための仕組みで、消費財を小売店に配る流通網とは別物である点は押さえておきたい。
2025年1月にホテル事業をITC Hotelsとして分離・上場させた。FY2026の連結売上は₹78,868 crore、タバコを除くFMCGの年間消費者支出は₹37,000 croreを超えている。ヘルシースナックのYoga Bar(運営:Sproutlife Foods)は、持分が希薄化後ベースで約47.5%ながら取締役の過半を指名する権利を得たことで、2026年4月1日付でITCの子会社になった(100%取得の方針自体は2023年の発表時から示されている)。
ITCは日系食品メーカーにとって有力なパートナー候補。インド全土をカバーする流通網は、日系企業のインド市場参入における最大の課題を解決し得る。また、ITCの農業サプライチェーン「e-Choupal」は日本の農業技術との連携ポテンシャルが高い。即席麺カテゴリーでは日清食品等と競合関係にある。