Maricoは、ココナッツオイルのParachuteと食用油のSaffolaを主力とするFMCG企業である。ここ数年は健康志向の食品D2Cブランドを次々に買収し、自社の全国流通に乗せる形で伸ばしている。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 設立年 | 1990年 |
| 本社 | ムンバイ(マハラシュトラ州) |
| MD & CEO | Saugata Gupta(2026年4月から2028年3月まで再任) |
| 連結売上高 | ₹13,611 crore(FY2026=2026年3月期/前年比25.7%増、約2,370億円)。FY2025は₹10,831 crore |
| 従業員数 | 約3,300人 |
| 上場 | BSE/NSE上場 |
| 主要ブランド | Parachute、Saffola、Coco Soul、Set Wet、True Elements、Plix、Beardo |
MaricoはTrue Elements(オーツ・シリアル)、Plix(植物性の健康食品)、Beardo(男性向けグルーミング)といったD2Cブランドを買収してきた。いずれもオンラインで立ち上がったブランドで、商品と客層はあるが全国の小売店に並べる力はない。
そこへMaricoの配送網を貸す。ParachuteとSaffolaで数百万軒の小売店に届く仕組みがすでにあるため、買ったブランドの商品をそこに乗せれば一気に売り場が増える。FY2026(2026年3月期)の連結売上は₹13,611 croreで前年比25.7%増と大きく伸びたが、この買収分の取り込みが効いている。
主力のParachuteはココナッツオイルで、原料のコプラ相場に利益が左右される。相場に振られない収益源を増やす意味でも、食品と個人向け商品の比率を上げる狙いがある。
Saffolaは元々「心臓に配慮した食用油」として売られてきたブランドで、健康を訴求点にする素地があった。そこからオーツ、はちみつ、ピーナッツバター、マヨネーズ、即席のヌードルまで品目を足している。
ブランド名を共有することで、新しい品目でも棚で認識されやすい。一方、油から食品まで同じ名前で出すため、どこまで広げられるかという限界もある。
インドでD2Cから始めた日本のブランドが、次にどう広げるかを考えるときの出口として見ておける。オンラインで一定の売上が立ったあと、全国の小売店に並べるには自前で営業と配送を持つか、こうした会社に売るか、組んで流通だけ借りるかの選択になる。
オーツやグラノーラ、ピーナッツバターのように日本メーカーが商品を持つカテゴリーでは、Maricoは棚で直接ぶつかる相手でもある。価格帯はインドの中間層向けに設定されており、輸入品がそのまま並ぶ水準ではない。