Nestlé Indiaは、世界最大の食品企業ネスレのインド法人である。即席麺のMaggiをインドの家庭に定着させ、同社によればインドはMaggiにとって世界最大の市場になっている。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 設立年 | 1959年3月28日 |
| 本社 | グルガオン(ハリヤナ州) |
| 会長兼MD | Manish Tiwary(2025年8月1日就任。前任はSuresh Narayanan) |
| 売上高 | ₹23,155 crore(FY2026=2026年3月期/約4,030億円) |
| 直近四半期 | 2026年4〜6月期の売上₹6,378 crore(前年同期比25.1%増)、連結純利益₹959 crore(同48.3%増) |
| 従業員数 | 約8,000人 |
| 上場 | BSE/NSE上場 |
| 主要ブランド | Maggi、Nescafé、KitKat、Milkmaid、Nestea、Ceregrow |
Maggiはインドで「2分で作れる軽食」として売られてきた。ネスレはインドの主食が米と小麦であることを前提に、食事の置き換えではなく夕方の軽食や子供のおやつという場面を狙って商品を置いた。味も、とんこつや醤油ではなくマサラが基本である。
この場面設定が、価格と量目を決めている。1袋の量は日本の即席麺より少なく、価格も低い。食事として売るなら量を増やして単価を上げられるが、軽食として売る以上その余地は小さい。
事業は即席麺(Maggi)、コーヒー(Nescafé)、チョコレート(KitKat)、乳製品(Milkmaid)、栄養食品(Ceregrow)の5本柱で、外食や自動販売機といった家庭外のチャネルも伸びている。
2015年6月、Maggiはインドの食品当局(FSSAI)から販売停止を命じられ、全国の棚から商品が消えた。理由は2つで、検体から基準を超える鉛が検出されたことと、パッケージの「MSG無添加」という表示が不当表示にあたるとされたことである。同社はボンベイ高裁で争い、同年8月13日に全国禁止の取り消しを得た。指定された3つの研究所での再検査を経て、11月に販売を再開している。売上の主力を数か月失う事態から立て直した経験が、いまの配荷体制の土台になっている。
2025年8月1日付でManish Tiwary氏が会長兼MDに就任し、販売停止からの回復を指揮したSuresh Narayanan氏から引き継いだ。2026年4〜6月期は売上が前年同期比25.1%増の₹6,378 crore、連結純利益が48.3%増の₹959 croreで、クイックコマースと農村部の配荷拡大が効いている。
インドで食品を売る場合、食品安全基準(FSSAI)の運用が事業の存続に直結するという点で、2015年のMaggiの事例は避けて通れない。輸入品であれば通関での検査、国内生産であれば工場の登録と定期的な検査が入る。成分表示の翻訳ひとつで止まることもある。
即席麺のカテゴリーで日本の商品が入る場合、Maggiの価格帯と場面をそのまま奪いにいくのは難しい。日本の即席麺は量目も単価も上で、「食事」として売る設計になっているためである。既存の軽食と競合しない場面を先に決めることになる。