紳士服Rare Rabbitを展開するThe House of Rareが、2026年9月8日にベンガルール・インディラナガルへ約6,000平方フィート・2フロアの旗艦店を開いた。紳士・婦人・子供・靴の4ブランドを1棟に集約し、創業者は「商品そのものより、商品と商品の間の体験」を前面に置くと語る。インドで直営の大型店をどう組むかは、現地で自社ブランドの世界観を見せたい日本のアパレル・生活雑貨にとって具体的な検討材料になる。
The House of Rareは9月8日、インディラナガル100フィート通り沿いに約6,000平方フィートの2フロア旗艦を開業した。同社はここに紳士のRare Rabbit、婦人のRareism、子供のRare Ones、靴のRare’Zを並べ、4ブランドを一度に見せる構成をとった。会社側の説明によれば、この店はベンガルールでの同社最大店であり、コルカタに次ぐインド2番目の規模の旗艦にあたる。
The House of RareはRare Rabbitを軸に複数ブランドを抱えるインドのアパレル企業で、報道ではベンガルール市内に約25店、全国で約42店を持つ。これまで単一ブランドの路面・モール店を積み上げてきた同社が、あえて4ブランドを1棟にまとめた点が今回の変化にあたる。インディラナガルは飲食と物販が密集する街区で、休日の回遊が見込める立地に大型店を差した格好だ。
4ブランドを縦に積む構成は、来店客に「同じ世界観のまま用途を跨いで買う」動きを促す。紳士のRare Rabbitで服を選んだ客が、同じ階段の先で婦人・子供・靴まで一度に見られるため、1回の来店で世帯単位の買い回りが起きやすい。創業者が売り場の照明・素材・入り方を語るのは、商品点数より滞在時間で客単価を伸ばす狙いに寄せているためだ。
創業者のManish Poddar氏は開業にあたり「私にとって店の面白い部分は、商品と商品の間で起きること。光、素材、空間への入り方だ」と述べた。共同創業者のAkshika Poddar氏は「ブランドを全次元で見せることには強い力がある。ベンガルールは以前から好奇心の強い消費者を与えてくれた」とコメントし、都市選定の理由に地元客の反応を挙げた。Indian Retailerなどの業界メディアは、この店を体験型フラッグシップの拡張として報じている。
日本のアパレルや生活雑貨がインドで直営大型店を組むなら、単品の品揃えより「入店から会計までの動線でブランドを一度に体感させる」組み方が効く。靴の売り場づくりを来店客参加型に振ったConverseのベンガルール国内最大店や、接客を軸に直営網を束ねるワコールのムンバイ旗艦は、体験で差をつける大型店の先行例だ。1号店をどの街のどの街区に置くかで、その後の面展開の速度が変わる。
The House of Rareの動きは、インドの小売各社が主要都市とTier2都市に大型店を増やす流れの一部に位置する。リライアンスやDMartが年間2,182店を新規出店した動きと合わせて読むと、モール・路面の大型区画をどのブランドが押さえるかの競争が起きていることが見えてくる。
The House of Rareのベンガルール旗艦は、複数ブランドを1棟に束ねて滞在体験で客単価を伸ばす出店の一例だ。インドで自社ブランドを広げたい日本企業は、まず「単一ブランドの店を数で増やすか、複数ラインを1棟に集約して世界観で見せるか」を1号店の前に決めておきたい。候補都市のモールと路面の大型区画を2、3件、実際に歩いて動線を確認するところから始めるとよい。