【2025年最新】インドの電子マネー普及状況と今後の展望

インドの電子マネー・デジタル決済市場は、世界で最も急速に成長する決済エコシステムの一つです。UPI(統合決済インターフェース)の取引件数は2025年に年間2,283億件を突破し、前年比74%増という驚異的な成長を記録しました。IMFはUPIを世界最大のリアルタイム決済システムとして認定しています。本記事では、インドのデジタル決済の最新動向と今後の展望を解説します。

目次

インドのデジタル決済:2025-2026年の最新データ

UPIの取引件数は2025年12月に単月で216.3億件を記録し、前年同月比29%増となりました。2026年1月にはさらに217億件と過去最高を更新し、金額ベースでは28.33兆ルピーに達しています。FY2025(2024年4月〜2025年3月)の年間UPI取引件数は1,858億件で、FY2024の1,311億件から大幅に増加しました。

UPIはインドのデジタル決済全体の81%を占めており、FY2025のデジタル決済総取引件数2,216.8億件のうち、圧倒的なシェアを誇っています。

UPIエコシステムの主要プレイヤー

PhonePe(48.3%のシェア)

Walmart傘下のPhonePeがUPIエコシステムで最大のシェアを占めています。決済だけでなく、保険、投資信託、融資などの金融サービスにも事業を拡大しています。

Google Pay(37.0%のシェア)

Google PayはUPI第2位のプレイヤーとして、Googleの技術力を活かしたユーザー体験で存在感を示しています。

Paytm

2021年にインド史上最大規模のIPOを実施したPaytmは、フィンテック領域全般に事業を多角化しています。特に零細商店や屋台、個人事業主への浸透が強みです。

UPIの国際展開

UPIは国内だけでなく国際展開も加速しています。シンガポール、UAE、フランス、スリランカなどでUPI決済が利用可能になっており、インドのデジタル決済インフラがグローバルスタンダードへと進化しつつあります。IMFの報告では、UPIは世界のリアルタイム決済取引の約49%を占めるに至っています。

デジタル決済を支えるインフラ

Aadhaar(アーダール)

14億人の国民に固有IDを付与する世界最大の生体認証システムであり、金融包摂の基盤となっています。

India Stack

Aadhaar、UPI、DigiLockerなどを統合した「India Stack」は、デジタル公共インフラとして世界から注目されています。この基盤がインドのデジタル経済急成長を支えています。

今後の展望:UPIユーザー10億人時代へ

UPIユーザーは現在5億人を超えていますが、2026年末までに10億人を突破する見通しです。農村部やTier3都市への浸透が加速しており、Tier2・Tier3都市での電子商取引成長を後押ししています。

また、CBDC(中央銀行デジタル通貨)である「デジタルルピー」の実証実験も進んでおり、デジタル決済エコシステムのさらなる進化が期待されています。

日系企業がどう動くべきか

1. UPI対応を必須化する:インド市場でのBtoC事業では、UPI決済対応は最低限の要件です。ECサイト、実店舗を問わず、QRコード決済に対応する体制を整えましょう。

2. フィンテック連携を模索する:PhonePe、Paytmなどの決済プラットフォームとのAPI連携により、顧客獲得やデータ活用の機会が広がります。インドのスタートアップとの協業も検討すべきです。

3. 中間層の消費行動を理解する:デジタル決済の普及により、分割払いやサブスクリプションモデルが急速に広がっています。ローカライズした課金モデルの設計が重要です。

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この記事を書いた人

株式会社 SoJapanのアバター 株式会社 SoJapan 代表取締役

大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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