インドで急成長する抹茶市場!健康志向層に支持される最新トレンド

インドで抹茶ブームが本格化しています。世界の抹茶市場は2025年の36.7億ドルから2031年に53.5億ドルへ成長する見通し(CAGR 6.47%)で、インドはその成長を牽引するアジアの新興市場として注目されています。都市部のカフェ文化と健康志向トレンドが融合し、抹茶は「ウェルネスドリンク」として急速に浸透。さらに2025年9月にはインド紅茶研究協会(TRA)が日本の抹茶に対抗するデカフェ緑茶パウダーを発売するなど、国内生産の動きも活発化しています。

目次

インドにおける抹茶市場の現状

カフェ文化が後押しする抹茶人気

デリー、ムンバイ、バンガロール、プネなどインドの主要都市では、抹茶ラテ、抹茶スムージー、抹茶ボウルを提供するカフェが急増しています。スターバックスインドも抹茶メニューを拡充しており、都市部の若年層を中心に抹茶は「おしゃれで健康的な選択肢」として定着しつつあります。Instagramでの「#matcha」投稿はインドだけで数百万件に達し、SNSがトレンドの拡散エンジンとなっています。

健康志向層のニーズ

抹茶はカテキン、L-テアニン、ビタミンCなどの豊富な栄養素で知られ、抗酸化作用、代謝促進、集中力向上などの効果が注目されています。インドでは糖尿病や高血圧の罹患率が上昇しており、予防医療としてのヘルシーフード需要が拡大しています。抹茶はこのウェルネストレンドに完璧にフィットする製品です。

価格とアクセシビリティの課題

日本産の高品質抹茶はインドでは100g 2,000-5,000ルピー(約3,500-8,700円)と高額で、大衆市場への浸透には価格のハードルがあります。これは主に輸入コストと関税によるもので、インド国内での抹茶生産が実現すれば、コスト削減と市場拡大の両方が見込まれます。

インド国内での抹茶生産の動き

TRAのデカフェ緑茶パウダー

2025年9月、インド紅茶研究協会(TRA)は、日本の抹茶に対抗するデカフェ緑茶パウダーを発売しました。インド産茶葉を使用し、カフェインを除去することで健康志向の消費者をターゲットにしています。価格も日本産抹茶の数分の一を目指しており、インド大衆市場への普及を狙っています。

国内生産のポテンシャル

インドは世界第2位の茶葉生産国であり、ダージリン、アッサム、ニルギリなどの名産地を擁しています。特にダージリンの高地の気候は抹茶生産に適しており、日本の栽培技術(被覆栽培)を導入することで、高品質な国産抹茶の生産が可能になる可能性があります。

製品カテゴリーと市場機会

飲料カテゴリー

抹茶ラテ、抹茶フラッペ、抹茶ソーダなどの飲料は最も大きな市場セグメントです。カフェでの提供に加え、RTD(Ready-to-Drink)抹茶飲料やティーバッグ型抹茶製品の需要が拡大しています。

食品・スイーツカテゴリー

抹茶アイスクリーム、抹茶チョコレート、抹茶ケーキ、抹茶クッキーなど、スイーツ分野での抹茶利用が広がっています。インドのスイーツ文化(ミタイ)と抹茶の融合は、ユニークな商品開発の機会を生んでいます。

美容・健康カテゴリー

抹茶を使ったフェイスマスク、スキンケア製品、サプリメントも注目カテゴリーです。アーユルヴェーダ文化のあるインドでは、自然由来の美容・健康素材への関心が特に高く、抹茶の抗酸化作用はこのニーズに合致します。

日系企業のインド抹茶市場戦略

プレミアム路線での差別化

日本産の「本物の抹茶」を武器に、プレミアムセグメントを確実に押さえるアプローチです。宇治抹茶や八女抹茶などの産地ブランドを活かし、カフェチェーンや高級ホテルへのB2B供給から始めるのが現実的です。

現地パートナーとの協業による大衆市場開拓

インド国内の茶葉メーカーや食品企業と提携し、日本の抹茶製造技術をライセンス供与する形で「インド産抹茶」の品質を高める戦略も有効です。これにより価格競争力を確保しつつ、「日本の技術で作られた抹茶」というブランドストーリーを構築できます。

カフェ事業への参入

日本式抹茶カフェをデリーやムンバイに出店する選択肢も検討に値します。抹茶を中心としたメニューに和菓子や日本式スイーツを組み合わせた「日本茶体験」を提供することで、ブランド認知と直接販売の両方を実現できます。

まとめ

インドの抹茶市場は、カフェ文化の発展、健康志向トレンド、SNSでの拡散効果により急成長しています。世界の抹茶市場が2031年に53.5億ドルに達する中、インドはその成長を牽引する新興市場です。インド国内での抹茶生産の動きも始まっており、市場の裾野は今後さらに拡大するでしょう。日系企業は「日本の本物の抹茶」という最大の差別化要因を活かし、プレミアム市場の確保とインド企業との協業による大衆市場開拓を同時に進めるべきです。

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この記事を書いた人

株式会社 SoJapanのアバター 株式会社 SoJapan 代表取締役

大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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