インドのピザ市場は2025年時点で約58.1億ドル規模に成長し、2034年には約124.9億ドルに達すると予測されています(年平均成長率8.87%)。その中でもIT都市バンガロールは、若年層の人口密度と可処分所得の高さから、ピザブランド各社が最も積極的に出店を競う「ピザ激戦区」となっています。
インド全土でのドミノ・ピザの店舗数はFY2025で184店舗を純増させ、急速に拡大しています。バンガロール市内だけで176店舗を展開しており、IT企業が集積するホワイトフィールド、エレクトロニックシティ、HSRレイアウトなどのテックハブを中心に高密度出店を実現しています。
567→630店舗(63店の純増)はフランチャイジー最大手Devyani Internationalの運営分です。インドのピザハットはDevyani InternationalとSapphire Foodsの2社体制のため、全国合計はこれを上回ります。ただし勢いは続かず、DevyaniのFY2026の新規出店は9店にとどまり、通期で42.5クロール(1クロール=1,000万ルピー)ルピーの赤字を計上。2026年暦年は新規出店を凍結しました。Sapphire Foods側でもピザハットの既存店売上が5四半期連続で減少しています。
2025年6月、英国のクラフトピザブランド「The Real Pizza Company」がインド1号店をバンガロールにオープンしました。石窯焼きの本格ピザを提供し、メトロ都市やTier2都市への展開を計画しています。バンガロールを初出店の地に選んだことは、同市がインドのフードトレンドの発信地であることを裏付けています。
バンガロールでは地元発のクラフトピザブランドも勢いを増しています。Toit、Onesta、1522などのブランドが独自の薪窯ピザやアーティザナルピザを提供し、グルメ志向の若者やIT関係者から支持を集めています。ベジタリアンピザのバリエーションの豊富さもバンガロール市場の特徴です。
バンガロールがインドのピザ市場をリードする要因は以下の通りです。
バンガロールのピザ市場の成長は、日系食品企業にとって以下の示唆があります。
バンガロールは、IT人材の集積・高い可処分所得・コスモポリタンな食文化・充実したデリバリーインフラを背景に、インドのピザ市場の最前線となっています。ドミノ・ピザハットの大手チェーンに加え、英国のクラフトピザブランドの参入や地元ブランドの台頭で市場はますます活性化しています。日系企業にとっても、食材供給や和風テイストのピザ展開など、参入余地は十分にあります。