インドコーヒーの世界における位置づけ
インドは世界第7位のコーヒー生産国であり、2024/25年の収穫期には世界全体の約4%のシェアを占めています。ブラジル(37%)、ベトナム(17%)、コロンビア(8%)に続く主要生産国の一角を担っています(出典:Global Coffee Report)。
多くの人がインドといえばダージリンやアッサムの紅茶を連想しますが、南インドの山岳地帯で栽培される高品質なコーヒー豆は欧州を中心に高い評価を受けており、スペシャルティコーヒーの分野でも注目が高まっています。
生産量の推移と2025年の最新データ
生産量の伸び
India Coffee Boardの発表によると、2025/26年のコーヒー生産量は40.3万トンに達する見込みで、2024/25年の36万トンから約12%の増加が見込まれています(出典:Credlix)。
品種別の生産割合
インドではロブスタ種が生産量の約70%を占め、アラビカ種が約30%です。ロブスタ種は主にケーララ州の低地で栽培され、インスタントコーヒーやブレンドの原料として需要があります。アラビカ種はカルナータカ州やタミル・ナードゥ州の高地で栽培され、より繊細な風味が特徴です。
10年間の生産倍増計画
India Coffee Boardは2034年までにコーヒー生産量を倍増させる国家計画を策定しています。小規模農家1万人をスペシャルティコーヒー栽培に育成し、プレミアム価格での輸出を拡大する方針です(出典:Drishti IAS)。
主要産地の特徴
カルナータカ州(シェア約71%)
インド最大のコーヒー産地で、年間約23万トンを生産しています。クールグ(コダグ)地区とチクマガルル地区が二大産地です。バンガロールを中心に、スペシャルティコーヒーの焙煎所やカフェが集積しています。シェードグロウン(日陰栽培)による環境に優しい栽培方法が特徴で、コーヒーの木は胡椒やカルダモンと混植されています。
ケーララ州
年間約7万トン以上を生産し、主にロブスタ種の栽培が盛んです。ワヤナード地区が主要産地で、スパイスとの混植栽培により独特のアロマを持つコーヒーが生産されています。
タミル・ナードゥ州
ニルギリ丘陵やシェバロイ丘陵が産地です。高地で栽培されるアラビカ種はフルーティーな風味が特徴で、スペシャルティコーヒー市場で注目されています。
その他の産地
アンドラプラデーシュ州のアラク・バレーは、先住民族の有機栽培コーヒーとして世界的に有名になりました。オディシャ州やマニプール州など北東部でも小規模ながらコーヒー栽培が始まっています。
輸出動向と国際市場での評価
2025年の輸出成長
India Coffee Boardの2025年6月発表データによると、2025/26年上半期のコーヒー輸出は前年同期比25%増と力強い成長を見せています(出典:Global Coffee Report)。主要輸出先はイタリア、ドイツ、ベルギーなど欧州諸国です。
スペシャルティコーヒーの躍進
インドのスペシャルティコーヒーは国際的なコーヒー愛好家から急速に注目を集めています。丁寧な栽培方法、明確な産地表示、特別な加工処理などが評価のポイントです。Blue Tokai、Third Wave Coffee、Araku Coffeeなどのインドブランドが、国際的なスペシャルティコーヒー市場で存在感を高めています(出典:Perfect Daily Grind)。
日系企業にとってのビジネスチャンス
インドのコーヒー市場は国内消費の拡大と輸出増の両面で成長しています。日本のラーメンチェーンや寿司レストランがインドに進出する際、高品質なローカルコーヒーを提供することで付加価値を生むことも可能です。
また、健康志向の高まりから、抹茶とインドコーヒーを融合させた新しい飲料カテゴリの開発も検討に値します。中間層の拡大により、プレミアムコーヒーの国内需要は今後さらに拡大する見通しです。
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