ユニクロ、インド事業を10倍規模へ拡大目標

ファーストリテイリング傘下のユニクロは2026年3月、インド事業を現状から10倍規模に拡大する目標を発表しました。FY2026(2025年9月期)は前年比44%増の売上成長を見込んでおり、インドを「グループにとって極めて重要な市場」と位置づけています。

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急成長するユニクロのインド事業

ユニクロはインドで現在18店舗を展開しており、年間約3店舗ペースで出店を続けてきました。2026年3月にはムンバイと新デリーに2店舗を新規オープンし、今後はこの出店ペースをさらに加速させる方針です。今期の売上高は1,000クローレ(約170億円)を突破する見通しで、インドにおける日系アパレルブランドとして最大級の存在感を示しています。

インドをグローバル調達の拠点へ

販売拡大と並行して、ユニクロはインドでの調達比率を現在の15〜16%から30%へと引き上げることを目指しています。インド南部の暖かい州での供給網を拡充しながら、リネン素材の衣料品やAIRism(吸湿速乾)ラインなど、インドの高温多湿な気候に適した商品の現地調達・開発を強化する計画です。現在20社のインド国内パートナーと製造委託契約を結んでおり、今後さらに拡大する方針です。

インド市場特有の戦略

ユニクロは「インドは夏が非常に長い」という気候特性を踏まえ、夏向けラインナップを大幅に強化しています。インドの消費者は高品質かつ機能性の高い衣料品への需要が旺盛で、ユニクロのコアコンセプトである「LifeWear(究極の日常着)」は中間所得層の拡大とともに急速に浸透しています。

日系アパレル・消費財企業への示唆

ユニクロの事例は、インドで成功するためには単なる輸出・販売にとどまらず、現地生産・調達・商品開発を組み合わせた総合的な市場戦略が必要であることを示しています。インドの14億人市場は、消費財・アパレル・生活用品などの分野でまだまだ開拓余地が大きく、ブランド認知の確立とローカライズが競争優位の鍵となります。また、インドを販売市場と同時にグローバル調達拠点として活用することで、サプライチェーンの多元化と競争力強化を実現できる点も重要です。

まとめ

ユニクロのインド事業10倍拡大目標は、同社がインドを長期的な成長エンジンと位置づけていることを明確に示しています。インドの急拡大する中間所得層と若い消費者層をターゲットとした販売戦略と、現地調達比率30%を目指す調達戦略の両輪で、インドにおける日系消費財ビジネスの新たなロールモデルを構築しつつあります。

この記事を書いた人

株式会社 SoJapanのアバター 株式会社 SoJapan 代表取締役

大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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