Zomato vs Swiggy徹底比較2026年版|売上・シェア・手数料・株価から読み解くインドフードデリバリー戦争

この記事の要約
ZomatoとSwiggyのFY2025業績比較。Zomatoは売上20,243クロール(前年比+67%)、純利益527クロールで黒字。Swiggyは売上15,227クロール(+35%)、3,117クロールの純損失。フードデリバリーシェアはZomato55〜58%、Swiggy42〜45%。BlinkitはInstamartに1日36万件差で優位に立っている。
本記事は2026年8月1日時点で確認できたインド現地の公的資料・報道をもとに作成しています。インドは税制・規制の改正が頻繁で、記載内容がその後変更されている場合があります。実際の事業判断にあたっては、所管省庁・現地の専門家など一次情報源で最新の内容をご確認ください。
目次

はじめに:インドフードデリバリー市場の二強対決

インドのフードデリバリー市場は、Zomato(2025年にEternal Ltdに社名変更)とSwiggyの二社による寡占状態が続いている。両社はフードデリバリーだけでなく、クイックコマース(即時配達)分野でも激しいシェア争いを展開しており、インドのフードテック業界全体の方向性を左右する存在である。

本記事では、FY2025(2024年4月〜2025年3月)およびQ1 FY2026の最新財務データに基づき、両社を売上・利益・市場シェア・株価・手数料・出店者支援の各面から徹底比較する。インド市場での出店を検討するレストランや食品企業にとって、最適なプラットフォーム選定の指針を示す。

売上・利益の比較:Zomatoが圧倒的リード

FY2025の業績比較

指標Zomato(Eternal Ltd)Swiggy
売上高(FY25)20,243クロール(約3,600億円)15,227クロール(約2,700億円)
売上成長率(YoY)+67%+35%
純利益/損失(FY25)+527クロール(黒字)-3,117クロール(赤字)
Q1 FY26 売上成長率+70%+54%
Q1 FY26 純利益/損失+25クロール(黒字維持)-1,197クロール(赤字拡大)

FY2025において、Zomatoは売上20,243クロール(約3,600億円)を達成し、前年比67%の成長を記録した。一方、Swiggyの売上は15,227クロール(約2,700億円)で、成長率は35%にとどまった。両社の売上差は約5,000クロール(約900億円)に達する(出典:INDmoney, 2025)。

最も決定的な違いは収益性にある。Zomatoは527クロールの純利益を計上し黒字を達成した一方、Swiggyは3,117クロールの純損失を記録した。この収益力の差は、投資家の評価にも明確に反映されている。

市場シェア:フードデリバリーとクイックコマース

フードデリバリー分野

フードデリバリー分野では、Zomatoが55〜58%のシェアを占め、Swiggyは42〜45%である。2024年前半にはSwiggyのシェアが一時40%を割り込む場面もあったが、Q1 FY2026には42%まで回復している(出典:Motilal Oswal, 2025)。

クイックコマース分野

クイックコマースでは、ZomatoのBlinkit が1日あたり約157万件の注文を処理し、SwiggyのInstamartは約121.5万件と、約36万件の差がある。Blinkitは約1,400のダークストアを172都市で展開し、MAU(月間アクティブユーザー)も1,370万人とリードしている。

株価・時価総額の比較

指標Zomato(Eternal Ltd)Swiggy
株価(2026年3月時点)約229ルピーIPO価格390ルピーを大幅下回る
時価総額約2.2兆ルピー(約4兆円)約7,750億ルピー(約1.4兆円)
PER約93倍赤字のため算出不可
アナリスト目標株価420ルピー(BNP Paribas)490ルピー(BNP Paribas)

Zomatoの時価総額は約2.2兆ルピー(約4兆円)で、Swiggyの約3倍に達する。Swiggyは2024年11月のIPO以降、株価が下落を続けており、2026年に入ってからもIPO価格を大幅に下回る水準で推移している(出典:Appreciate Wealth, 2026)。

出店側の手数料比較

コミッション(手数料)構造

両プラットフォームともレストランに対して15〜30%のコミッションを課しており、具体的な料率はレストランの所在地、注文量、選択プランにより変動する(出典:Spice Advisors, 2025)。

プラットフォーム手数料の最新動向

2026年3月時点で、両社はプラットフォーム手数料を相次いで引き上げている。Zomatoは税抜き手数料を12.50ルピーから14.90ルピーへ19%引き上げ、Swiggyもこれに追随して14.99ルピーから17.58ルピーへ17%引き上げた(出典:MediaNama, 2026)。

手数料項目ZomatoSwiggy
コミッション率15〜30%15〜30%
プラットフォーム手数料14.90ルピー/注文(税抜)17.58ルピー/注文(税抜)
優先表示オプションZomato Gold(有料)Swiggy One(有料)
配達手数料距離・需要に応じて変動距離・需要に応じて変動

集客力の比較:どちらがより多くの顧客を送客できるか

ユーザーベースと注文頻度

Zomatoはフードデリバリー分野で月間アクティブユーザー数でSwiggyを上回っており、特にTier1都市での支配力が強い。一方、Swiggyは南インド(特にバンガロール、チェンナイ、ハイデラバード)で相対的に強いプレゼンスを持つ。

日系レストランが多く進出するデリーNCR地域やムンバイでは、Zomatoのシェアが高い傾向にある。ただし、Tier2都市への展開を視野に入れる場合は、両プラットフォームに出店することで地域による偏りをカバーできる。

サポート体制と出店者支援

Zomatoの出店者支援

Zomatoは「Restaurant Partner」プログラムを通じ、売上分析ダッシュボード、メニュー最適化の提案、プロモーションツールを提供している。Zomato Goldプログラムにより優先表示を受けることも可能だが、追加コストが発生する。

Swiggyの出店者支援

Swiggyは「Swiggy Partner Hub」で同様のツールを提供しているほか、クラウドキッチン支援プログラム「Swiggy Access」を展開している。これは物理的な店舗を持たなくてもデリバリー事業を始められるプログラムで、新規参入者にとっては魅力的な選択肢である。

独自分析:日系レストラン・食品企業はどちらを選ぶべきか

ケース別推奨プラットフォーム

ケース推奨理由
デリー・ムンバイ中心の出店Zomato優先北インド主要都市でのシェア優位
バンガロール・南インド中心両方出店(Swiggyやや有利)南インドでのSwiggy存在感
クラウドキッチン事業Swiggy優先Swiggy Accessプログラム活用
プレミアム日本食レストランZomato優先Zomato Goldの高所得層リーチ
食品メーカー(EC販売)Blinkit(Zomato)優先クイックコマースでの商品販売

両方出店が基本戦略

結論として、リソースが許す限り両方のプラットフォームに出店するのが最適解である。インドの消費者は両アプリを比較して注文することが一般的であり、片方にしか掲載されていないと機会損失が大きい。

ただし、限られた予算でプロモーションを集中させる場合は、出店地域と業態に応じて上記の表を参考にメインプラットフォームを選定し、そこにマーケティング予算を集中投下すべきである。スタートアップとして参入する場合は、Swiggyのクラウドキッチンプログラムの活用も検討に値する。

2026年後半〜2027年の展望

Zomatoは黒字化を達成し、Blinkitを通じたクイックコマース拡大で成長の第二フェーズに入っている。一方、Swiggyは赤字が続くものの、IPOで調達した資金を原資にInstamartの積極拡大を図る。

日系企業にとっての示唆は明確である。両社の競争はプラットフォーム手数料の引き上げにつながりうるため、デジタル決済を活用した自社ECチャネルの構築も並行して検討すべきだ。プラットフォーム依存のリスクを認識しつつ、両社の集客力を最大限活用する「ハイブリッド戦略」が、FSSAI認証取得済みの日系食品企業にとって最も現実的なアプローチである。

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    よくある質問

    ZomatoとSwiggyの最大の違いは何ですか

    最も大きな違いは収益性です。Zomato(Eternal)は黒字化を達成している一方、Swiggyは赤字が続いています。両社ともフードデリバリーとクイックコマースを両輪に展開していますが、収益化の進度に差があります。

    フードデリバリーとクイックコマースで両社のシェアはどうなっていますか

    フードデリバリー分野ではZomatoがやや優勢で、Swiggyが続きます。クイックコマースではZomatoのBlinkitが多数のダークストアを展開してリードし、SwiggyのInstamartが追う構図です。

    日系レストランはどちらのプラットフォームに出店すべきですか

    地域と業態による出し分けが有効です。デリー・ムンバイ中心ならZomato、南インド中心なら両方出店、プレミアム日本食はZomatoの高所得層リーチが活きるとされます。ただし消費者は両アプリを比較するため、リソースが許す限り両方出店が基本戦略です。

    クラウドキッチンでデリバリー事業を始めたい場合はどちらが向いていますか

    Swiggyが優先候補とされています。Swiggyはクラウドキッチン支援プログラムを展開しており、物理的な店舗を持たなくてもデリバリー事業を始められます。新規参入者にとって初期投資を抑えられる選択肢です。

    出店側の手数料は今後どうなる見通しですか

    両社ともレストランにコミッションを課しており、所在地や注文量、プランで料率が変動します。さらに両社はプラットフォーム手数料を引き上げる動きを見せています。手数料上昇リスクを踏まえ、自社ECチャネルの構築も並行して検討すべきとされています。

    プラットフォーム依存のリスクをどう抑えればよいですか

    両社の集客力を活用しつつ自前の販売チャネルも持つハイブリッド戦略が現実的な解です。デジタル決済を活用した自社ECチャネルの構築を並行して進め、FSSAI認証を取得した上で複数チャネルに分散させることで、手数料引き上げや片方依存のリスクを軽減できます。

    参考データソース

    この記事を書いた人

    大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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