ベトナムの都市部では、経済成長と中間層の拡大を背景に消費トレンドが急速に変化しています。BMIの予測によれば、2026年の個人消費支出は前年比7.2%成長し385兆VND規模に達する見込みです。ハノイ、ホーチミン、ダナンを中心とした都市部消費の最新動向と、日系企業が取るべき対策を解説します。
2026年ベトナム都市部の5大消費トレンド
トレンド1:EC・ソーシャルコマースの急拡大
ベトナムのEC市場は2025年上半期のGMV合計が222.1兆VND(前年比23%増)に達し、政府目標の320億ドルに向けて力強い成長を続けています。特にTikTok Shopの台頭が顕著で、ShopeeとLazadaの2強体制にTikTok Shopが割り込む形で、ソーシャルコマースが新たな主戦場となっています。ベトナム食品ECの動向も注視が必要です。
トレンド2:健康・ウェルネス志向の加速
都市部の中間層を中心に、健康食品、オーガニック製品、フィットネス関連消費が急拡大しています。ベトナムの健康食品市場は2025年に87億ドル規模に達し、2030年まで年平均18%の成長が予測されています。日本の高品質な健康食品・サプリメントへの需要は今後さらに高まると見られます。
トレンド3:体験消費へのシフト
「モノの所有」から「体験への投資」という消費軸の転換が都市部で顕著です。ベトナムカフェ文化に象徴されるカフェ巡り、フードツーリズム、ワークショップ参加など、SNSでシェアできる「体験」に価値を置く消費行動が主流化しています。
トレンド4:プレミアム・高品質志向の浸透
可処分所得の増加に伴い、価格よりも品質を重視する消費者が増加しています。JETROの調査によれば、ベトナムの日系企業の44.8%が市場シェア増加を報告しており、ベトナムでの日本ブランド優位性が確実に機能していることを示しています。特に食品、化粧品、ベビー用品分野での日本ブランドへの信頼は盤石です。
トレンド5:デジタル決済の浸透
MoMo、ZaloPay、VNPayなどのモバイル決済サービスが都市部で急速に普及し、キャッシュレス取引の比率が上昇しています。デジタル決済の環境整備は、日系企業にとって必須の対応事項です。
都市別の消費特性
ホーチミン:トレンドリーダー
ベトナム最大の経済都市であるホーチミンは、新しいトレンドが最初に生まれ広がる市場です。District 1やThao Dienを中心に、洗練された消費文化が形成されています。
ハノイ:品質重視・伝統尊重
首都ハノイの消費者は、品質への要求水準が高く、伝統と革新のバランスを重視する傾向があります。日本ブランドの「老舗感」や「職人技術」は、ハノイ市場で特に高く評価されます。
ダナン:成長する第三の都市
中部の拠点都市ダナンは、観光産業の成長とともに消費市場が急拡大しています。ホーチミンやハノイと比較してコストが抑えられるため、テストマーケティングの拠点としても注目されています。
日系企業の実践的対策
マルチチャネル戦略の構築
EC、SNS、実店舗を統合したOMO(Online Merges with Offline)戦略の構築が不可欠です。ベトナムSNSマーケティングとベトナムデリバリー戦略を組み合わせ、消費者のあらゆるタッチポイントに対応する体制を整えましょう。
現地パートナーとの連携強化
都市部の商習慣や規制環境は変化が激しいため、現地パートナーとの緊密な連携が成功の鍵を握ります。ディストリビューターの選定、ECプラットフォームの運営代行など、信頼できるパートナーの確保を優先してください。
まとめ
ベトナム都市部の消費市場は、EC拡大・健康志向・体験消費・プレミアム化・デジタル決済という5つのメガトレンドに牽引され、2026年以降もダイナミックな成長が見込まれます。日系企業はこれらのトレンドを先取りし、マルチチャネル戦略と現地パートナーとの連携を軸に、戦略的な市場開拓を進めていきましょう。
情報ソース
本記事の作成にあたり、以下の公的機関・調査レポートを参照しています。