インドのコーヒー文化と歴史を解説!起源から第三の波までの発展と日系企業のチャンス

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インドのコーヒーの起源:17世紀から始まる歴史

チャイの国として知られるインドですが、実は世界トップ10に入るコーヒー生産国でもあります。インドのコーヒーの歴史は17世紀に遡り、伝説によれば、聖者ババ・ブーダンがイエメンからコーヒー豆を持ち帰り、南インドのカルナータカ州チクマガルル地方に植えたのが始まりとされています。

以来、南インドを中心にコーヒー栽培が発展し、現在もカルナータカ州、ケーララ州、タミル・ナードゥ州が主要産地です。インドのコーヒー生産量は世界第6位で、年間約35万トンを生産しています。

南インドのフィルターコーヒー文化

チェンナイやバンガロールなど南インドの都市では、「カーピ」と呼ばれるフィルターコーヒーが生活に深く根付いています。真鍮やステンレスのフィルター器具で抽出し、温めたミルクと泡立てながら混ぜるこの独特の淹れ方は、南インドの朝の風景そのものです。

一方で北インドではチャイが圧倒的に優勢であり、この南北のコーヒー/チャイの地域差は、飲料ビジネスの戦略策定に直結する重要な要素です。

第三の波(サードウェーブ)コーヒーブームの到来

2020年代に入り、インドのコーヒー市場は「第三の波」を迎えています。Blue Tokai Coffee Roasters、Third Wave Coffee、Subkoなどのブティックブランドが、シングルオリジン豆、アルチザナル(職人的)なブリューイング、トレーサビリティを重視した新しいコーヒー体験を提供しています。

Third Wave Coffeeは2025年7月までに12都市165店舗超に拡大し、FY25の目標150店舗を上回る成長を達成しました。スペシャルティコーヒー市場は2030年までに62.8億ドルに達する見通しです(CAGR 13.6%)。

インドのカフェ市場の全体像(2026年予測)

インドのブランドカフェ市場は2026年に6,110店舗超に達し、2030年までに10,000店舗を超える予測です(CAGR 13.2%)。現在の主要プレイヤーは以下の通りです。

タタ・スターバックスが480店舗でトップ、Baristaが465店舗、Cafe Coffee Day(CCD)が425店舗で続きます。さらにTim Hortonsが2022年のインド参入以来40店舗超に拡大、Coffee Islandは2026年3月までに20店舗を目指しています。

日系企業のコーヒービジネスチャンス

インドの中間所得層は2047年までに人口の約61%に達すると予測されており、都市部の可処分所得増加がプレミアムコーヒー体験への支出を後押しします。

日本式喫茶店・カフェ:丁寧なハンドドリップ、静かな空間、こだわりのフードペアリングという日本の喫茶店文化は、インドのサードウェーブコーヒー消費者に響く差別化要素です。

コーヒー器具の輸出:ハリオ、カリタなどの日本製コーヒー器具は、インドのスペシャルティコーヒー愛好家の間で高い評価を受けています。

抹茶カフェの展開:コーヒーカフェに併設した抹茶メニューの提供は、差別化と新規顧客獲得の両面で効果的です。

バンガロールのテックハブエリアは、サードウェーブ文化が最も浸透しており、日系カフェの出店候補地として最有力です。

情報ソース

  • Perfect Daily Grind – Specialty Coffee is Expanding in India
  • Comunicaffe – India Coffee Shop Market Grew 12.7%
  • Coffee Intelligence – Why the Coffee Industry Should Consider India’s Market Potential
  • IMARC Group – India Coffee Shops/Cafes Market Size & Trends 2033
  • Grand View Research – India Specialty Coffee Market Outlook 2025-2030

この記事を書いた人

株式会社 SoJapanのアバター 株式会社 SoJapan 代表取締役

大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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