【2025年最新】インド現地法人設立にかかる費用総まとめ

この記事の要約
インドの現地法人(Private Limited Company)設立費用は登記手続きのみで約3万〜8万ルピー。印紙税はデリー0.15%、マハーラーシュトラ0.15〜0.3%、カルナータカ0.3%と州により異なる。FSSAI Central License政府手数料は年間7,500ルピー。グルガオンで食品輸入販売事業の初年度コストは約126〜276万ルピーが目安となる。
目次

インド現地法人設立費用の全体像【2026年最新】

インドでの現地法人(Private Limited Company)設立は、日系企業のインド進出における最も一般的な法人形態です。JETROの調査によるとインド進出日系企業は1,434社に上り、その大半がPrivate Limited Company形態で設立しています。

2026年現在の設立費用は、登記手続きのみで約3万〜8万ルピー(約5.4万〜14.4万円)ですが、実際の事業開始までには追加のコストが発生します。本記事では、法人登記から事業開始まで、日系企業が準備すべき費用を網羅的に解説します。

参考情報:

法人登記費用の内訳

1. 会社名予約(Name Reservation)

MCA(Ministry of Corporate Affairs)ポータルでのRUN(Reserve Unique Name)申請費用は1,000ルピー(約180円)です。最大2つの希望名を提出し、通常2〜3営業日で承認されます。

2. DSC・DIN取得費用

  • DSC(Digital Signature Certificate):各取締役につき1,500〜3,000ルピー(約270〜540円)。外国人取締役はパスポートで申請可能
  • DIN(Director Identification Number):SPICe+フォーム内で同時申請。追加費用なし

3. SPICe+申請費用

会社設立の統合申請フォームSPICe+の費用は、授権資本(Authorized Capital)の額に基づきます。

  • 授権資本10万ルピーまで:政府手数料500ルピー
  • 授権資本100万ルピーまで:政府手数料2,000〜4,000ルピー
  • 授権資本1,000万ルピーまで:政府手数料10,000〜15,000ルピー

4. 印紙税(Stamp Duty)

印紙税は州によって大きく異なります。デリーでは授権資本の0.15%、マハーラーシュトラ(ムンバイ)では0.15〜0.3%、カルナータカ(バンガロール)では0.3%が目安です。

5. 専門家費用

CA(公認会計士)やCS(会社秘書役)への依頼費用として5,000〜15,000ルピー(約900〜2,700円)が一般的です。日系企業向けに日本語対応可能な事務所の場合は2〜5万ルピー程度となることもあります。

設立後に必要な追加費用

PAN・TAN取得

法人のPAN(永久口座番号)とTAN(税務控除口座番号)はSPICe+申請時に同時取得可能。追加費用は原則不要です。

GST登録

物品サービス税(GST)の登録は無料ですが、申請手続きの代行を依頼する場合は2,000〜5,000ルピー程度です。

銀行口座開設

法人銀行口座の開設は無料ですが、外国送金の受け入れにはRBI(インド準備銀行)への報告が必要です。初期預金として最低10,000〜25,000ルピー程度が求められます。

FSSAI認証(食品事業の場合)

食品関連事業を行う場合、FSSAI認証の取得が必須です。Central Licenseの場合、政府手数料は年間7,500ルピー(5年分一括で37,500ルピー)。代行費用を含めると3〜5万ルピー程度となります。

オフィス・人件費など初年度の運営コスト

オフィス賃料(月額目安)

  • グルガオン:40〜80ルピー/平方フィート
  • バンガロール:50〜90ルピー/平方フィート
  • ムンバイ:80〜200ルピー/平方フィート
  • コワーキングスペース:月額15,000〜30,000ルピー/席

人件費(月額目安)

  • 経理・事務スタッフ:25,000〜50,000ルピー
  • 営業マネージャー:60,000〜120,000ルピー
  • シニアマネージャー:150,000〜300,000ルピー

会計・コンプライアンス費用(年額)

月次会計、GST申告、所得税申告、年次申告(ROC Filing)などの継続的なコンプライアンス費用として、年額10〜25万ルピー(約18〜45万円)が目安です。

日系企業の初年度費用シミュレーション

小規模な食品輸入販売事業をグルガオンで設立する場合の初年度費用概算:

  • 法人登記関連:約5〜10万ルピー
  • FSSAI認証取得:約3〜5万ルピー
  • オフィス(コワーキング12ヶ月):約18〜36万ルピー
  • 人件費(3名×12ヶ月):約90〜200万ルピー
  • 会計・法務・コンプライアンス:約10〜25万ルピー
  • 初年度合計:約126〜276万ルピー(約227〜497万円)

参考情報:

まとめ:インド現地法人設立のコスト最適化

インドでの現地法人設立費用は、法人登記自体は比較的安価(5〜10万円程度)ですが、事業開始までのトータルコストは年間200〜500万円程度を見込む必要があります。コスト最適化のポイントは、コワーキングスペースの活用、現地パートナーとの費用分担、段階的な人員拡充です。

インド市場への進出を検討する際は、失敗事例から学び、十分な初期資金を確保した上で参入することが成功への近道です。

この記事を書いた人

大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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