Carl Pei(カール・ペイ)が率いるテック企業Nothingが、インド・バンガロールにロンドン本社以外で初となるフラッグシップストアを開業した。2フロア構成の店舗では、世界で唯一「製品のパーソナライズ」が可能。インドはNothingにとってスマホシェア2%超、前年比出荷85%成長の最重要市場だ。
店舗の全容——2フロアの体験型空間
バンガロールに開業したフラッグシップは2階建ての構成で、製品の展示販売だけでなく、ブランドの設計思想を体験できる空間として設計されている。
店内には生産ラインの展示、USBポートの耐久試験機、防水テスト装置など、通常は工場内にしかない検査設備が並ぶ。CEOのCarl Peiは「ブランドに関わるすべての要素からインスピレーションを受けた楽しい空間を作りたかった」と語った。
Nothing Phone、Nothing Earに加え、低価格帯サブブランド「CMF by Nothing」の製品も取り扱う。CMFはインドのOptiemusとの合弁で本社をインド国内に置いており、現地生産体制を確立済みだ。
カスタマイズサービス——世界でここだけ
バンガロール店の最大の特徴は、製品のパーソナライズサービスだ。ロンドン本社を含め、他の販売チャネルでは提供していない独自サービスとなる。
具体的なカスタマイズ内容の詳細は今後発表される予定だが、Nothingの透明デザイン(Glyph Interface)を活かした個別カスタマイズが想定されている。
| 店舗情報 | 詳細 |
|---|---|
| 所在地 | バンガロール市内 |
| 店舗構成 | 2フロア |
| 取扱ブランド | Nothing / CMF by Nothing |
| 独自サービス | 製品パーソナライズ(世界唯一) |
| 体験展示 | 生産ライン / USB耐久試験 / 防水テスト |
| ロンドン以外の直営店 | 世界初 |
インド市場でのポジション——シェア2%超、出荷85%増
Nothingにとってインドはグローバルで最も強い市場だ。2025年Q2時点でインドのスマートフォン市場シェアは2%を超え、前年同期比で出荷台数が85%成長した。
インド市場を最重要拠点に据える背景には、CMF by Nothingの存在がある。CMFはインド・Optiemusとのジョイントベンチャーとして本社をインド国内に設置。低価格帯のスマートフォンやイヤホンをインド市場の価格帯に合わせて展開し、量的成長を牽引している。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| インドのスマホ市場シェア | 2%超(2025年Q2) |
| 出荷台数の前年比成長 | 85%(2025年Q2) |
| 直近の資金調達 | シリーズC 2億ドル(Tiger Global主導) |
| 企業評価額 | 13億ドル |
| 累計調達額 | 4.5億ドル |
業界の反応——「インドファースト」戦略への注目
テック業界では、Nothingがロンドンでもニューヨークでもなくバンガロールを海外初の旗艦店に選んだ判断に注目が集まっている。
OnePlus出身のCarl Peiがインド市場の特性を熟知していることが、この判断の背景にある。OnePlus時代にインドで築いたコミュニティ基盤とブランド認知が、Nothing立ち上げ後もインドでの急成長を支えている。
シリーズCで2億ドルを調達(Tiger Global主導、企業評価額13億ドル)した資金力を背景に、東京とニューヨークにも旗艦店を展開する計画を明らかにしているが、具体的な時期は未定だ。
日本企業・進出検討者への示唆
Nothingの動きは、インド市場に進出する日本のテック企業にとって2つの示唆がある。
第一に、インドを「コスト削減のための生産拠点」ではなく「最重要消費市場」として位置づけるマインドセット。第二に、旗艦店という物理的な接点を通じてブランド体験を構築するアプローチだ。ECだけでは得られないブランドロイヤリティの構築手法として参考になる。
今後の展開
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 次の旗艦店候補 | 東京 / ニューヨーク(時期未定) |
| インド事業の核 | CMF by Nothing(Optiemus JV) |
| 企業評価額 | 13億ドル(シリーズC時点) |
| Carl Peiの経歴 | OnePlus共同創業者→Nothing創業(2020年) |
まとめ
Nothingがバンガロールを世界初の海外旗艦店に選んだのは、インドが出荷85%成長の最重要市場であるという事実に基づく合理的な判断だ。世界唯一の製品パーソナライズサービスと体験型の店舗設計は、オンライン販売主体のテックブランドが物理店舗に投資する意義を示している。東京・ニューヨークへの展開計画も含め、Nothingのグローバル戦略の起点となる店舗だ。
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引用元・参考
