インドのディワリ2026はいつ?稼働への影響と商戦の組み立て

この記事の要約
2026年のディワリは11月8日の日曜日です。宗教行事としての5日間と中央政府機関の休日は日付が一致せず、2026年は振替休日もありません。選択制休日で担当者ごとに休みがばらけるため週を通して稼働が薄くなります。商戦規模はCAIT推計で6.05兆ルピー、食品関連が構成比の約3割を占めます。
本記事は2026年8月27日時点で、インド政府人事訓練省(DoPT)の休日通達および各調査機関の公表資料をもとに作成しています。ルピーの円換算は1ルピー=約1.66円で計算しています。イスラム系の祝日は月の視認によって前後することがあります。

2026年のディワリは11月8日(日曜日)です。インド政府の休日表では中央政府機関の閉庁日にあたります。

ただし日本企業にとって大事なのは日付そのものより、この週にインド側の稼働がどう変わるかです。2026年は振替休日が発生しない年で、しかも前後の行事は「選択制休日」という日本にない制度で処理されます。この記事では日程と稼働への影響を整理したうえで、商戦をどう仕込むかまで扱います。

目次

ディワリ2026の日程

ディワリは5日間の祭りです。本祭の日付は暦の計算にもとづくため毎年変わり、10月中旬から11月中旬のあいだを動きます。ここで混乱しやすいのが、宗教行事としての日付と、政府機関の休日としての日付が一致しないことです。目的に応じて使い分ける必要があるので、分けて示します。

宗教行事としての5日間

日付行事
11月6日(金)Dhanteras(ダンテラス)
11月7日(土)Naraka Chaturdashi
11月8日(日)Diwali/Lakshmi Puja(本祭)
11月9日(月)Govardhan Puja
11月10日(火)Bhai Dooj

これは民間のパンチャーン(暦)にもとづく一般的な区切りです。暦の流派によって1〜2日前後します。贈答や販促の設計はこちらを見てください。

中央政府機関の休日としての扱い

日付行事区分
11月8日(日)Diwali閉庁日
11月8日(日)Naraka Chaturdasi選択制休日
11月9日(月)Govardhan Puja選択制休日
11月11日(水)Bhai Duj選択制休日

政府の休日表にDhanterasの記載はなく、Bhai Dujは11月10日ではなく11日に置かれています。官庁への申請や許認可の進み具合を読むならこちらが基準です。

「インドの祝日」は一律ではない

日本企業が最も誤解しやすいのがここです。インドには全土で一律に適用される休日がほとんどありません。

区分対象ディワリの扱い
全国共通の休日共和国記念日・独立記念日・ガンディー生誕含まれない。この3日はどの州でも休みになる
中央政府機関の閉庁日(17日)中央政府の行政機関含まれる(11月8日)
州の休日州ごとに告示。銀行等は別途規定州によって日数・日付が異なる
民間企業州法で最低日数が決まり、内訳は各社が決める会社ごとに違う

民間企業の休日を定めているのは州ごとの法律で、統一の連邦法はありません。最低日数も州で違い、タミル・ナードゥ州は共和国記念日・メーデー・独立記念日・ガンディー生誕の4日を必須としたうえで祝祭日5日を労使で決めます。カルナータカ州は5月1日と11月1日を含む7日を加えた水準です。つまり政府の休日表で確実に読めるのは官公庁の稼働だけで、取引先がいつ休むかは個別に確認するしかありません

2026年は振替休日がない

2026年のディワリは日曜日にあたります。日本の感覚では翌日が振替休日になりそうですが、インドではなりません。

中央政府の休日通達には、祝日が週休日など非稼働日と重なった場合に代替の休日を与えてはならない、と明記されています。同じ理由で2026年は独立記念日(8月15日)も土曜日にあたり、振替はありません。閉庁日の総数は17日ですが、実際に平日が潰れる日数はこれより少なくなります。民間企業がこれに倣うかは各社の規定次第です。

なぜディワリ週は連絡がつかなくなるのか

「休みは1日だけのはずなのに、週を通して話が進まない」という経験をした方は多いはずです。官庁側については、選択制休日(Restricted Holiday)という仕組みで説明がつきます。

選択制休日という制度

  • 2026年は34件の行事が中央政府機関の選択制休日としてリスト化されている
  • 職員はそのリストから任意の2日を自分で選んで取得する
  • 当日オフィス自体は開いている。閉庁するのではなく、個々の職員が個別に休む

つまりディワリ週の官庁は「全員が休んでいる」のでも「全員が働いている」のでもありません。担当者ごとに休む日がばらけるため、決裁が回らない、担当が不在で確認が取れない、という状態が数日続きます。閉庁日のカレンダーだけを見て「11月9日以降は動く」と判断すると、見込みが外れます。民間企業でも、有給を組み合わせて長めに休む従業員は珍しくありません。

州によって休日が違う

もうひとつ見落とされやすいのが地域差です。デリー首都圏以外の中央政府機関は、17日の閉庁日のうち14日を強制休日とし、残る3日は各州都の委員会が別リストから選びます。同じ中央政府の組織でも、州が違えば休む日が違うということです。

複数の拠点と取引している場合、「インドの祝日」と一括りにせず拠点ごとに確認する必要があります。都市別の事情はデリーチェンナイなど各都市の記事でも触れています。

この時期にやっておくこと

  • 10月中に決裁を取る|承認が要る案件はディワリ週に持ち込まない
  • 11月6日〜11日は重要な打ち合わせを避ける|官庁も民間も稼働が読めない
  • 取引先に休業日を直接聞く|民間企業の休日は会社ごとに違う
  • 拠点ごとに確認する|グルガオンは11月9日、ムンバイ・バンガロール・アーメダバードは11月10日が休み

ディワリ商戦の規模

ディワリは稼働が落ちる期間であると同時に、インド最大の商戦期でもあります。全国の商業団体CAIT(Confederation of All India Traders)が毎年、全国60の主要流通拠点を調査して売上を推計しています。

推計売上(原単位)円換算の目安
2021年₹1.25 lakh crore(1.25兆ルピー)約2.1兆円
2023年₹3.75 lakh crore(3.75兆ルピー)約6.2兆円
2024年₹4.25 lakh crore(4.25兆ルピー)約7.1兆円
2025年₹6.05 lakh crore(6.05兆ルピー)約10.0兆円

2025年の内訳は商品が₹5.40 lakh crore、サービスが₹65,000 croreです。インドの報道は lakh・crore という単位で書かれるため、日本語に直すときの換算を誤ると桁がずれます。1 crore は1,000万、1 lakh crore は1兆にあたります。

何が売れているか

CAITの同じ調査には業種別の構成比も含まれています。食品まわりを抜き出すと次のようになります。

カテゴリ構成比
食品雑貨・FMCG12%
ギフト7%
菓子・ナムキン5%
果物・ドライフルーツ3%
ベーカリー3%

食品関連を合計すると全体の3割近くを占めます。金・宝飾(10%)や家電(8%)といった高額品に目が行きがちですが、日常的に消費される食品の比重は小さくありません。

消費者の支出意欲

JioStarが2025年に実施した調査(回答者8,119人)では、前年と同等以上の支出を予定していると答えた人が92%にのぼりました。内訳は「より多く」が58%、「同程度」が34%です。1人あたりの平均予算は₹16,500(約27,000円)で、₹30,000以下が89%を占めます。

この調査は自社サービスの利用者を対象としたオンライン調査で、全国を代表するものではありません。傾向を掴む材料として見てください。

季節性が業績を動かす

ディワリの需要集中がどれほどのものかは、現地の上場企業の決算に表れます。菓子大手のBikaji Foods Internationalは、2026年1月発表の四半期決算で包装菓子部門の売上が前年同期比17.1%減となったことを開示し、その理由を「ディワリが例年より早かったことによる季節要因」と説明しています。9か月累計では8.1%増です。

祭りの時期が数週間ずれるだけで四半期の売上が二桁変動する。これがインドの食品市場における季節性の実態です。日系企業が現地で商品を展開する場合も、年間計画をこの前提で組む必要があります。

日系の食品企業が狙える切り口

商戦の構造を踏まえると、日系の食品企業が入り込める余地は主に3つです。

企業間ギフト

ディワリは企業同士がギフトを贈り合う時期でもあります。CAITの構成比でギフトは7%を占めます。日本製であることの信頼性が効きやすい領域で、包装の質やセットの組み方で差がつきます。FSSAIの認証を取得していることが取引の前提になる点は押さえておいてください。

菓子・ドライフルーツ

菓子(ミタイ)とドライフルーツは伝統的な贈答品です。ベジタリアン対応が前提になるため、原材料の設計段階から確認が要ります。牛由来の原料は避ける必要があり、インドの食品輸入では牛肉を含む製品が全面的に禁止されている点も同じ理由で効いてきます。

EC経由の販売

調査会社Redseerは2025年の祝祭期について、ディワリ前の30〜35日間でECのGMVが₹1.15 lakh crore(1.15兆ルピー、約1.9兆円)に達すると予測していました。実績として公表されているのは第1レグ11日間の数字で、₹60,000〜62,000 crore(約1.0兆円)、前年同期比20〜22%増です。買い物客は約9,000万人、平均支出は₹7,000程度とされています。

ECは実店舗の棚を確保できない段階でも参入できる経路です。輸入の関税と通関条件を織り込んだ価格設計ができていれば、テスト販売の場として使えます。

11月8日から逆算した仕込みの時期

ディワリ商戦は当日に動くものではありません。棚に並ぶまでの工程を逆算すると、着手すべき時期が見えてきます。

時期やること
4〜6か月前(5〜7月)商品仕様とパッケージの決定。FSSAI関連の確認
3か月前(8月)輸入手配の開始。海上輸送は4〜6週間かかる
2か月前(9月)流通への提案。EC掲載の準備
1か月前(10月)販促の実施。祝祭期のEC商戦はディワリ前30〜35日間
直前〜当日(11月上旬)インド側の稼働が落ちる。意思決定が要る案件は前倒しで片づける

輸入で特に効いてくるのが賞味期限の条件です。インドでは通関の時点で有効保存期間の6割、または3か月のいずれか短いほうが残っている必要があります。海上輸送の日数を踏まえると、賞味期限の短い商品はスケジュールが成立しません。

よくある質問

2026年のディワリはいつですか?

本祭は2026年11月8日の日曜日で、中央政府機関の閉庁日にあたります。5日間の祭りで、前後のNaraka Chaturdasi(11月8日)、Govardhan Puja(11月9日)、Bhai Duj(11月11日)は選択制休日です。民間の暦では11月6日から10日と表記されることが多く、宗教行事としての日付は流派によって1〜2日前後します。

ディワリが日曜日だと翌日は振替休日になりますか?

なりません。中央政府の休日通達には、祝日が週休日と重なっても代替の休日を与えない旨が明記されています。2026年は独立記念日(8月15日)も土曜日にあたりますが、こちらも振替はありません。

休みは1日のはずなのに、なぜディワリ週は話が進まないのですか?

官庁については選択制休日という制度があるためです。2026年は34件の行事がリスト化され、職員は任意の2日を選んで休みます。当日オフィス自体は開いているものの、担当者ごとに休む日がばらけるため、決裁や確認が滞ります。民間企業の休日は州ごとの法律で最低日数が定められ、内訳は各社が決めるので、取引先には個別に確認してください。

ディワリ商戦の市場規模はどのくらいですか?

商業団体CAITの推計では、2025年のシーズンで₹6.05 lakh crore(6.05兆ルピー、約10.0兆円)でした。内訳は商品が₹5.40 lakh crore、サービスが₹65,000 croreです。2023年の₹3.75 lakh crore、2024年の₹4.25 lakh crore から拡大しています。

ディワリ商戦にはいつから準備すればよいですか?

商品仕様とパッケージは4〜6か月前に固め、輸入手配は3か月前に始めるのが目安です。海上輸送に4〜6週間かかるうえ、インドでは通関時点で賞味期限の6割または3か月のいずれか短いほうが残っている必要があるためです。ECの商戦はディワリ前の30〜35日間に集中します。

州によって祝日は違いますか?

違います。デリー首都圏以外の中央政府機関は、17日の閉庁日のうち14日を強制休日とし、残る3日は各州都の委員会が別のリストから選定します。州政府や民間企業はこれとは別に休日を定めるため、複数拠点と取引がある場合は拠点ごとに確認してください。

まとめ

2026年のディワリは11月8日の日曜日です。振替休日はなく、前後のGovardhan Puja(11月9日)とBhai Duj(11月11日)は中央政府機関の選択制休日として個人単位で消化されます。さらに州ごとの休日が絡み、グルガオンは11月9日、ムンバイ・バンガロール・アーメダバードは11月10日が休みになります。閉庁日は1日でも、拠点によって休む日がずれることで週を通して稼働が薄くなる、というのが実務上の姿です。意思決定が要る案件は10月中に片づけておくのが安全です。

商戦としては2025年に₹6.05 lakh crore(約10.0兆円)まで拡大しており、食品関連は構成比の3割近くを占めます。参入するなら11月8日から逆算して、遅くとも夏には輸入の手配を始めておく必要があります。拠点ごとの休業日はインドの祝日カレンダー、ディワリ以外の祭事を含む年間の商戦設計はフェスティバルマーケティングの年間カレンダーで扱っています。

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    この記事を書いた人

    大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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