2026年3月21日、ベトナムのファム・ミン・チン首相はハノイで日系企業との対話を行い、投資継続と信頼維持を強く呼びかけた。同月、「新時代の日越共同イニシアチブ」も正式スタートし、両国の経済協力は新たなフェーズに入った。
日越共同イニシアチブの再編
新時代の日越共同イニシアチブでは従来の11作業部会を5つに統合・再編し、法制度の整備と企業の基本的なビジネスニーズへの対応に重点を置く。この再編はビジネス環境改善の取り組みをより効率的かつ実効性の高い形で進めるためのものだ。日系企業がベトナムで直面する規制面の課題(労働法、税務、土地使用権など)について、より迅速な対応が期待される。
日本の対ベトナム投資——依然トップクラス
2026年2月末時点で日系企業はベトナムで5,738件のプロジェクトを展開し、登録投資総額は約790億ドルに達する。日本はシンガポール、韓国に次ぐ第3位の投資国であり、2026年1〜2月だけで35件の新規プロジェクトを立ち上げている。製造業を中心に不動産、金融、小売など幅広い分野で日系企業のプレゼンスが拡大している。
首相が日系企業に求めたこと
ファム・ミン・チン首相は対話の中で、日系企業に対していくつかの具体的な要請を行った。第一にハイテク分野(半導体、AI、グリーンエネルギー)への投資拡大、第二にベトナム人材の育成・技術移転の強化、第三にサプライチェーンのベトナム国内での深化だ。これらはベトナム政府が2030年に向けて掲げる産業高度化戦略と整合している。
日系企業にとっての意味
首相レベルでの日系企業への直接的な対話は、ベトナム政府が日本を最優先の投資パートナーとして位置づけていることの表れだ。この政治的なコミットメントは、規制面での優遇措置やビジネス環境の改善として具体化される可能性が高い。実際に共同イニシアチブの再編は、日系企業からのフィードバックを反映した制度改善の仕組みとして機能することが期待されている。
日越関係の全体像
日越関係は2023年に「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げされ、経済・安全保障・文化の全方位で協力が深化している。ODA(政府開発援助)でも日本はベトナム最大のドナーであり、インフラ整備(高速道路、港湾、都市鉄道)に巨額の支援を行ってきた。この政府間の強固な関係が、民間企業のベトナム進出を下支えしている。
今後の注目ポイント
新共同イニシアチブの成果が具体的にどのような制度改善につながるかが短期的な焦点となる。特に労働許可証の手続き簡素化、土地使用権の安定性向上、税務手続きのデジタル化など、日系企業が日常的に直面する課題への対応が期待される。
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