2026年春、ベトナム中部ダナン市が半導体・AI・ロジスティクス・金融分野で日系企業の誘致を積極化する方針を打ち出した。春の日系企業商談会で市当局トップが直接アピールした。
半導体ファブラボ始動——1.8兆ドン投資
ダナン市では2026年第4四半期の稼働を目指し、総投資額1.8兆ベトナムドン(約6,880万ドル)、延床面積2,288平方メートルの半導体製造ファブラボの建設が進む。年間1,000万個の製造キャパシティを持つ同施設はベトナムの半導体エコシステム強化の核となる。
2030年に向けた野心的目標
ダナン市は2030年までにデジタル経済がGRDPの35〜40%以上を占めることを目指す。半導体分野の高品質人材を5,000人以上育成・誘致する計画で、設計エンジニア1,500人、テスト・パッケージングエンジニア2,000人などの内訳だ。ダナン大学やFPT大学との産学連携も強化している。
日系企業にとっての魅力
ダナンはホーチミン、ハノイに次ぐベトナム第3の都市だが、人件費が両都市より20〜30%低く、ITエンジニアの供給も豊富だ。ダナンハイテクパークやダナンITパークなど専門区画が整備されており、チャイナプラスワンでベトナムへの生産移転を検討する日系企業にとって有力な選択肢となっている。
ダナンの地政学的優位性
ダナンは地理的にベトナムの中央に位置し、南北を結ぶ物流ハブとしての機能を持つ。ダナン国際空港は日本の成田・関空から直行便が就航しており、日本との人的交流も容易だ。港湾設備も充実しており、製造業の輸出拠点としてもポテンシャルが高い。
課題と注意点
ダナンの課題はスケーラビリティだ。ホーチミンやハノイと比較すると市場規模は限定的で、大型製造拠点の設置にはインフラ面の制約がある。また、半導体産業のエコシステムはまだ発展途上であり、サプライヤー網の厚みではシンガポールやマレーシアに劣る。しかし、コスト優位性と人材供給力を考えれば、R&Dセンターやテスト・パッケージング拠点としての魅力は十分にある。
日越協力の文脈で見るダナン
ベトナム政府は日本を最重要投資パートナーの一つと位置づけており、2026年3月には首相が日系企業との対話で協力強化を要請している。ダナンの半導体・AI誘致はこの国家レベルの日越協力を地方都市レベルで具体化したものであり、日系企業にとっては政策的な追い風が吹いている状況だ。
ベトナムでのハイテク投資や拠点設立にご関心の方はSoJapanまでお問い合わせください。住友商事のタインホア工業団地や日越協力の新フェーズもご覧ください。