Juicy Couture、ハイデラバードに新店舗――Y2K復活でインド拡大加速

本記事は2026年8月1日時点で確認できたインド現地の公的資料・報道をもとに作成しています。インドは税制・規制の改正が頻繁で、記載内容がその後変更されている場合があります。実際の事業判断にあたっては、所管省庁・現地の専門家など一次情報源で最新の内容をご確認ください。
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Juicy Couture、Lake Shore Mallに出店――南インド攻略を本格化

ロサンゼルス発のライフスタイルブランドJuicy Coutureが2026年5月11日、ハイデラバードのクカットパリ地区にあるLake Shore Mallに新店舗をオープンした。インド国内ではムンバイ(Skycity Mall)、ラクナウ(Phoenix Pallasio Mall)に続く展開で、南インドへの初進出となる。

運営はBrand Concepts Limitedが担い、ブランドライセンスはAuthentic Brands Group(ABG)が管理する。アクセサリー中心の展開から本格的なアパレルラインへの転換を図る戦略的な一手だ。

店舗の詳細と取扱商品

新店舗はLake Shore Mall グラウンドフロアのUnit No. GF-20に位置する。住所はLake Shore Mall, Y-Junction, Kukatpally, Hyderabad 500072。

取扱商品は従来のハンドバッグ・アクセサリーに加え、アイコンであるベロアトラックスーツ、Tシャツ、タンクトップなどのレディートゥウェア(既製服)コレクションを本格展開する。サイズ展開はXSから3XLまでと幅広く、インド消費者の体型多様性に対応している。

Brand Concepts共同創業者のAbhinav Kumar氏は「スタイルと個性を融合させるブランドとして、インドのファッション志向層に強く響いている」とコメントしている。

インド展開状況

店舗都市立地形態
ムンバイ店ムンバイSkycity Mall独立店舗
ラクナウ店ラクナウPhoenix Pallasio Mall独立店舗
ハイデラバード店ハイデラバードLake Shore Mall, Kukatpally独立店舗
ショップインショップ複数都市Shoppers Stop各店インショップ

Y2Kブームとインド市場の接点

Juicy Coutureの代名詞であるベロアトラックスーツは、2000年代初頭にパリス・ヒルトンやジェニファー・ロペスが着用して世界的ブームを巻き起こした。2020年代に入り、TikTokやInstagramを通じてY2K(2000年代回帰)ファッションが世界的に再燃。インドでも同様のトレンドが20代を中心に広がっている。

インドのアスピレーショナル・ファッション市場は45億ドル規模とされ、プレミアムアスレジャー分野は2026年に15%の成長が見込まれている。Juicy Coutureはこのトレンドの波に乗り、アクセサリーだけでなくアパレル全般へカテゴリを拡張することで、1店舗あたりの売上拡大を狙う。

現地メディア・業界の反応

Indian Retailer誌はJuicy Coutureのハイデラバード出店を「Brand Conceptsのポートフォリオ拡大戦略の一環」として報じ、同社がAuthentic Brands Groupの複数ブランドをインド市場に導入するプラットフォーム企業として成長している点を指摘した。

DFU Publicationsは「アクセサリー偏重からフルラインアパレルへの転換は、Juicy Coutureブランドのインドにおける収益構造を根本的に変える可能性がある」と評価。XS-3XLのサイズ展開についても「カリフォルニア・ヘリテージのローカライズに成功している」と言及した。

EquityBullsは上場企業Brand Concepts Limitedの株価動向と絡めて報道し、ハイデラバード出店が同社の業績見通しにポジティブに作用する可能性を示唆している。

日系企業への示唆

Juicy Coutureのインド展開モデルは、日系ファッションブランドが参入する際の参考例として3つの示唆を提供する。

第一に、Brand Conceptsのようなインド上場企業をマスターライセンシーとして起用するスキームだ。自社でインドに法人を設立するのではなく、現地企業にブランドライセンスを付与し、出店・在庫・人材をすべて現地側が負担する構造は、リスクを最小化できる。

第二に、Tier-2都市(ラクナウ、ハイデラバード)への積極出店だ。デリーやムンバイだけでなく、地方中核都市のモールに早期に入ることで先行者利益を確保する戦略は、日本ブランドにも応用可能だ。

第三に、ノスタルジアマーケティングの活用だ。Y2Kブームはインドのジェネレーションにも通用しており、日本の「平成レトロ」「90年代ストリート」といった文脈をインドに持ち込む余地がある。

インド・アパレル小売市場の動向

インドのファッション小売市場では2026年だけで6社以上の海外ブランドが新規参入を予定しており、競争が激化している。TAG Heuerのフランチャイズブティック出店Nothingの旗艦店開設など、ファッション以外のカテゴリでもブランド直営リテールへの投資が活発だ。

Brand Conceptsは今後もAuthentic Brands Groupのポートフォリオからインド向けブランドの導入を進めるとみられ、同社の動向はインド参入を検討する日系ブランドのベンチマークになる。

店舗情報

項目詳細
店舗名Juicy Couture Lake Shore Mall店
所在地Unit GF-20, Lake Shore Mall, Y-Junction, Kukatpally, Hyderabad 500072
開業日2026年5月11日
取扱商品アパレル(ベロアスーツ、Tシャツ等)、ハンドバッグ、アクセサリー、トラベルギア
サイズ展開XS〜3XL
運営Brand Concepts Limited(マスターライセンシー)
ライセンサーAuthentic Brands Group

まとめ

Juicy Coutureのハイデラバード出店は、Y2Kノスタルジアとインドの若年層ファッション需要が交差するタイミングを捉えた展開だ。Brand Conceptsをライセンシーとするモデルは、自社リスクを抑えながらインド全土にブランドを広げる仕組みとして機能している。

日系アパレルブランドにとって、Authentic Brands GroupやBrand Conceptsへの直接コンタクト、あるいはTier-2都市のモールリーシング担当へのアプローチが、インド参入の具体的なアクションとなる。

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    この記事を書いた人

    大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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