ダナン市、半導体・AI分野で日系企業の誘致を強化——春の日系企業商談会で表明

2026年春、ベトナム中部の主要都市ダナン市は、半導体、人工知能(AI)、ロジスティクス、金融サービスの分野で日系企業の誘致を積極的に進める方針を打ち出しました。市内で開催された「日系企業との春の商談会」において、市当局のトップが日本の投資家・企業向けに直接アピールする機会を設けた形です。

目次

半導体産業に1.8兆ドンのファブラボ始動へ

ダナン市では、2026年第4四半期の稼働を目指し、総投資額1.8兆ベトナムドン(約6,880万ドル)、延床面積2,288平方メートルの半導体製造関連ファブラボの建設が進められています。年間1,000万個の製造キャパシティを持つ同施設は、国内外市場の双方に対応し、ベトナムの半導体エコシステム強化の核となることが期待されています。

2030年に向けた野心的な目標

ダナン市は2030年までに、デジタル経済がGRDPの35〜40%以上を占めることを目指しています。また、半導体分野の高品質人材を5,000人以上育成・誘致する計画で、そのうち設計エンジニアが1,500人、テスト・パッケージングのエンジニアが3,500人の内訳を想定しています。

国際金融センター構想との相乗効果

ダナン市は、半導体産業の育成に加え、国際金融センターとしての機能強化も並行して推進しています。金融サービスとテクノロジーを組み合わせたフィンテック分野でも日系企業のニーズを積極的に受け入れる姿勢を示しており、ベトナム中部におけるハイテク・金融ハブとしてのポジションを確立しようとしています。

日本の対ベトナム半導体投資の背景

日本企業のベトナムへの半導体関連投資は近年急増しており、2026年2月末時点で日系企業の対ベトナム累計投資額は約790億ドルに達しています。チャイナプラスワン戦略や米国の対中半導体規制の影響もあり、ベトナムをサプライチェーンの重要拠点として位置づける動きが加速しています。

日系企業への示唆

ダナン市の積極的な誘致戦略は、半導体・電子部品の製造・テストや、AIソリューションの開発拠点を探している日系企業にとって見逃せない動きです。ハノイやホーチミン市に比べて地価・人件費が相対的に低く、かつ市当局の政策的サポートが期待できる点は、リスク分散の観点からも魅力的です。また、ファブラボの2026年Q4稼働を見据えた形で、早期にパートナー候補を探るのが得策と言えるでしょう。

まとめ

ダナン市が半導体・AIを軸に日系企業誘致を強化している背景には、ベトナム全体のデジタル産業高度化という国家戦略があります。2030年に向けた野心的な目標を掲げる同市において、日本企業が持つ製造技術・品質管理ノウハウは高く評価されており、今後の協力拡大が期待されます。

この記事を書いた人

株式会社 SoJapanのアバター 株式会社 SoJapan 代表取締役

大手総合商社にて約8年間、グループ子会社の経営改革や出資先スタートアップとのJV設立を担当。その後インド駐在として、日系大手飲食チェーンのインド展開に従事し、現地に合わせたメニュー開発やマーケティングを推進。

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