Country Delightは、契約酪農家から集めた牛乳を朝までに各家庭へ届ける定期配達から始まったD2Cブランドである。いまは乳製品に加えて野菜、果物、粉類まで扱う。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | Beejapuri Dairy Private Limited(ブランド名 Country Delight) |
| 設立年 | 2015年 |
| 本社 | グルガオン(ハリヤナ州) |
| 共同創業者 | Chakradhar Gade、Nitin Kaushal |
| 売上高 | ₹1,380 crore(FY2024=2024年3月期)。前年比46%増と報じられた。Inc42集計のFY2023は₹800.8 crore(純損失₹249 crore)で、この2つを並べると伸び率は合わない |
| 従業員数 | 約2,160人 |
| 累計調達額 | 約2億1,043万ドル(13ラウンド。直近は2025年3月のシリーズE) |
| 上場 | 非上場 |
Country Delightは前日までの注文をもとに、翌朝の配達を組む。つまり工場を出る前に何本必要かが分かっている。生鮮品で最も大きな損失は売れ残りの廃棄だが、この仕組みなら作りすぎが起きにくい。
逆に言えば、思いつきで買う客は取れない。売上を伸ばすには定期購入の世帯数を増やすしかなく、1世帯あたりの品目を増やす方向に広げることになる。牛乳から始めて野菜、果物、粉類へ品目を足しているのはこのためである。
FY2024(2024年3月期)の売上は₹1,380 croreで、前年比46%増と報じられた。ただしInc42集計のFY2023は売上₹800.8 crore・純損失₹249 croreで、この2つを並べると伸び率が合わない。集計の範囲が違うため、どちらか一方だけを見るほうがよい。
インドでは牛乳への加水や脂肪分の調整が長く問題になってきた。Country Delightは契約農家から集めた生乳を24時間以内に届けるとし、混ぜ物をしないことを前面に出している。
この訴求が成立するのは、消費者が既存の牛乳を疑っているからである。品質そのものより、疑いを解く仕組みを売っている面がある。
定期配達という売り方は、日本の宅配牛乳やヨーグルトの事業者にとってなじみがある。ただしインドでは冷蔵設備を持たない家庭も多く、朝に届けてその日のうちに使い切らせる設計になっている点が違う。日本の宅配は冷蔵庫に入れて数日もたせる前提で組まれており、賞味期限も容器も変わってくる。
インドでD2Cの生鮮を手がけるなら、この仕組みは見ておける。ただし配達員を自前で抱える必要がある。同社の従業員約2,160人という規模は、その負担を示している。
同社は2026年9月時点で、2億〜3億ドル規模のIPOを準備していると報じられている。新株発行と既存投資家の売り出しを組み合わせる形で、SEBIへの提出前に価格の目安をつくるためのプレIPOラウンドも検討しているという。2026年5月にはAlteria Capitalから₹65 croreの融資を受けた。2024年末からはグルガオンで10〜15分配達の試験も始めている。